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産資・不織布通信(27)/帝人 アラミド繊維/車やインフラなど幅広く活躍

2020年03月09日(Mon曜日) 午後4時11分

 高機能繊維の一つであるアラミド繊維は、高強力や耐熱性といった特徴を持ち、タイヤ補強材やゴム資材関連、防弾をはじめとする幅広い用途で使われている。パラ系アラミド繊維とメタ系アラミド繊維があるが、どちらも旺盛な需要が続いており、年率3~5%で成長していると推計されている。

 帝人は、パラ系アラミドの「テクノーラ」「トワロン」、メタ系アラミドの「コーネックス」「コーネックス・ネオ」を展開する。パラ系アラミドでは、テクノ―ラをスペシャルな用途で販売し、トワロンはコストリーダーシップを発揮する。この二つを持っていることは大きな強みで、世界の市場で存在感を示す。

 自動車用途をメインにするアラミド事業本部インフラ・モビリティ部は、コネクテッド(C)、自動運転(A)、シェアリング(S)、電動化(E)の頭文字からなる「CASE」によってニーズは大きく変わると捉える。ただどのような方向に進んでいくのかは明確には読めないとし、素材メーカーとして常にアンテナを高く張っておくと話す。

 モビリティー関連では、大きな成長が見込める航空用途も注力分野の一つに位置付けている。シートファブリックなど、アラミド繊維の耐熱性が生かせる用途の探索を進める。宇宙領域も可能性があるとし、「小型ロケットの部材などで問い合わせはある。用途に応じて対応していく」と構えを見せる。

 自動車・モビリティー関連のほかでは、インフラ・土木が堅調に推移している。戦後に建設された高速道路や橋梁の劣化によって補修市場が拡大しているためだ。テクノーラ(一部トワロン)のチョップドファイバーを使った繊維補強コンクリート(FRC)に加え、織物でも展開する。

 鉄筋代替として今後の拡大を期待しているのが、テクノーラを芯に、外側を樹脂で固めたロッド。さびに強く、重さは鉄筋の半分以下でありながら強度に優れている。一部で提案は行っているが、安定供給体制構築やコスト抑制などの課題も残る。

 産業資材では、第5世代移動通信システム(5G)に活躍の場を求める。テクノ―ラの特徴の一つである絶縁性などが評価され、アラミド繊維強化プラスチック(AFRP)がシャープのスマートフォンの背面パネルに採用された。トワロンではナノファイバーの開発を進めており、早い段階で販売を始めたいとしている。