混迷の時代を進む メーカー系商社のいま (7)

2020年03月10日(Tue曜日)

グループ連携で総合力発揮

クラボウインターナショナルの2020年3月期は、前期比減収ながらも利益は前期並みを確保する見通しだ。来期は「編み地と織物の壁を越えた提案力の強化」(西澤厚彦社長)や各国での素材調達などによるコスト対応力強化、グループ連携による新商品開発、人材育成――などを重点方針に据える。

 今期は一般市況の推移と同様にカジュアル製品OEMが苦戦したが、方針にも掲げるユニフォーム製品OEMは拡大した。最大規模のカジュアル製品が減少したことで減収は免れないが、利益は与信管理の徹底などにより横ばいを見込む。

 来期は“素材の壁”を解消する。編み地は旧クラボウアパレルが、織物は旧クラボウテキスタイルがそれぞれ主力としてきた素材だが、クラボウインターナショナルとして統合して以降も、部・課間には“壁”が存在した。これを取り払い、総合的な提案力として磨きをかけることで商機拡大を狙う。

 コスト対応力も磨く。中国縫製が主力ながらも、ベトナムやバングラデシュ、インドネシア縫製の比率が高まっている。それぞれの国で糸や生地、副資材を調達する体制を徐々に整備、コスト対応とリードタイムの短縮につなげる。

 グループ連携による新商品開発とその提案、新規ビジネスの構築も継続テーマ。その際は環境配慮を強く意識する。天然繊維である綿や独自のセルロース・プロテイン複合繊維「ルナセル」のほか、再生ポリエステルや、裁断くずを製品化する取り組み「ループラス」などの提案に力を注ぐ。ルナセルはこれまで編み地のみの展開だったが、新たに織物も試作した。安心・安全の観点では抗ウイルス加工「クレンゼ」の市場浸透を目指す。

 中堅若手社員の育成にも改めて注力する。海外出張時に若手を意識的に帯同させるなどの取り組みを進めており、各海外拠点ではナショナルスタッフの幹部登用を積極化する。

 同社の強みはクラボウの国内工場や各部門、タイクラボウを軸とした海外の素材、大正紡績の独自性のある糸などをグループの力として活用、訴求できる点。OEM事業を取り巻く環境は厳しいが、この立ち位置をより明確にすることで、さらなる事業拡大も可能とみている。   (おわり)