今年注目の糸はこれだ!

2020年03月10日(Tue曜日)

「ジャパン・ヤーン・フェア」で見たトレンド(中)

天然繊維も 持続可能人気

 天然繊維使いの糸についても、「持続可能性」は評価を受ける要素だ。認証機関のお墨付きを得た糸や、「再生」を切り口にした糸が注目されている。

 東亜紡織では、豪州のオーガニック認証機関「ACO」が認める牧場(牧草と土壌がオーガニック)で飼育した羊の毛を使い、ACOの認証を得た同社宮崎工場で紡績した糸への注目度が昨年から高まった。同糸使いの製品が来年から市場に出る見込みだ。梳毛糸紡績などの三甲テキスタイル(岐阜県大垣市)は、オーガニックテキスタイル世界基準「GOTS」の認証を得たウールを使用した糸が注目されていると指摘する。梳毛紡績の豊島紡績(名古屋市中区)でも、オーガニックウール使いの糸に注目が集まっている。

 意匠撚糸製造卸の近藤(愛知県一宮市)では、再生ウールを使った糸が人気だ。「半年ほど前から、サステイナビリティー(持続可能性)への注目度がより増している」と言う。タキヒヨーでも、イタリアの紡績会社による再生ウールを使ったリサイクル糸が好評だ。

 シルクなどの高級撚糸製造販売の長谷川商店(愛知県一宮市)では、絹紡糸製造の際の落ちワタを使った紬糸への引き合いが多い。シルクのエコ素材として注目を集めている。

 綿紡績の近藤紡績所(名古屋市中区)が試作した“ジーンズ混”の糸も注目されている。ユーズドジーンズを分解し、レギュラー綿と混ぜて紡績した。ジーンズの混率によって色を変える。デニムの残反は、洗うと色が落ちるため、あえてユーズドジーンズを採用した。

 スリットしたポリエステルフィルムやナイロンフィルムを基材に使用するラメ糸の分野では、基材の素材を、生分解性のあるレーヨンへ置き換える試みが注目されている。ラメ糸製造卸の泉工業(京都府城陽市)は、木材パルプを原料とするセルロースフィルムを基材とするラメ糸を商品化し、欧州向け生地を生産している企業から注目されている。

麻高騰の中で高級志向

 麻の世界では、大きな変化が起きている。欧州では、ヘンプ、ラミー、リネンの順で高級とされている。価格は上昇傾向にあり、中でもラミーの値上がりが激しい。5年ほど前に比べると、リネンは1㌔当たり1800円から2千円に上昇した。ところがラミーが1600円から2200円に大幅に値上がりし、リネンよりも高くなった。

 このため、5、6年前までリネン使いの糸の提案に力を入れていた意匠糸製造のミマス(三重県玉城町)は、ヘンプ使いの提案を強化している。リネン、ラミーよりも高い素材をあえて提案することで、差別化したいとの需要を取り込む方針だ。