明日へ これが我が社の生きる道 染色加工編(57)

2020年03月13日(Fri曜日)

1㍍からの加工にも対応

東洋染化(福井県越前市)は小ロット・短納期対応を特徴とする加工場。売上高は繊維のコーティング加工と、プラスチックの押出成形が半分ずつの構成だが、ともに小ロット・短納期の仕事が中心となっている。

 繊維の設備はコーティング機2台で大ロットの仕事は多くないが、小ロットの方は制限を設けていない。山田泰三社長は「コーティングだけでやっているので、どんなロットにも対応できる」と言い、1㍍の加工にも応じている。納期も早い。午前中に注文を受ければその日の午後に加工し、夕方に出荷する。この利便性が多くの企業に受け入れられ、現在は北陸産地だけでなく東京や大阪を含め、約50社の取引先を持つ。

 小ロット・短納期対応をメインに仕事を回しているため、経営上は「長く先まで見通すことが難しい」という悩みがあるものの、きめ細かな対応が次の仕事につながってきた。今年で創業56年になるが、これまで赤字決算だったのは1度だけ。困った時に頼れる小ロット・短納期対応が口コミで広がり、既存顧客からの紹介を含めて、毎年何社かは新規の取引先ができているという。

 展開する加工は、アクリル樹脂加工やシルバーコーティング、撥水(はっすい)加工、防水加工、パール加工など。かつては自動車カバー用のシルバーコーティングが主力だったが、「どんな用途でもまずは挑戦する」という姿勢で、傘地や椅子張り、カーテン、お守り袋、人形用の衣装・帯用、インクジェット捺染用前処理など展開用途を広げてきた。現在は特にかばん地の仕事が多くなっているという。

 保有するコーティング機は、ともに創業当初からの機械で、時代の流れに合わせて改造を重ねてきたもの。今年は溶剤回収など環境配慮の面で手を加えることを計画している。

 5年前に後を継いだ山田社長は、「長く続けることができたのは、時代に合わせて顧客が求めていることに取り組んできたからと考えている」と話し、今後も小ロット・短納期対応に磨きをかけながら、さまざまな用途に挑戦していく考えを示す。

(毎週金曜日に掲載)