メーカー別 繊維ニュース

ユニフォーム総合特集(8)/素材 副資材 商社/次世代のユニフォームを共に形作る

2019年11月29日(Fri曜日) 午後4時20分

 ユニフォーム業界を支えるのはユニフォームメーカーだけではない。素材、副資材、商社があるからこそ、安定して市場にユニフォームが供給できる。今後、次世代のユニフォームを形作る上でも素材、副資材、商社の存在感がますます高まる。

〈帝人フロンティア/防縮快適丸編み地開発〉

 帝人フロンティアは、20秋冬から工業洗濯に対応する防縮快適丸編み地「CFST(仮称)」を販売する。微細クリンプを持つ超かさ高加工糸の使用と編み組織の最適化、染色加工の工夫によって高温での洗濯や乾燥でも高い寸法安定性を発揮する。病院白衣(スクラブ)用途などに提案する。

 CFSTは丸編み地の欠点を解消したユニフォーム用生地。微細クリンプ超かさ高加工糸を染色後に膨らませて収縮の原因となる空隙を最小化する。ソフト風合いを併せ持つ編み地設計も確立し、編み目曲がりの原因となる潜在的ひずみを取り除く。染色加工は大きなテンションがかからないよう注意した。

 こうした工夫によって目付約150グラム(1平方メートル当たり)という軽量性と柔らかさを実現すると同時に、工業洗濯10回で寸法変化率プラス3%以内を達成している。

 リサイクルポリエステルや部分植物由来原料のポリエステルを使ったタイプもそろえる。

 20秋冬向けでは、バイオ由来ポリエステルを使った紡毛調生地「プラントペット ソロテックス フルフラン」、100%リサイクルポリエステルの環境対応型梳毛調生地なども投入する。

〈バイオポリエステル打ち出す/東洋紡STC〉

 東洋紡STCによると、サステイナビリティー(持続可能性)が注目されるに伴い、ペットボトル再生ポリエステル「エコールクラブ」への引き合いがここにきて増えているという。

 このため、エコ素材の商品ラインを充実させる一環として新素材をラインアップ。バイオ由来の原料から製造するポリエステル「エコールクラブ・バイオ」、生分解性素材「ダース」を開発した。12月に開催する東洋紡グループ繊維総合展で披露し、来シーズンのユニフォーム商戦から本格販売を立ち上げる。

 エコールクラブ混をラインアップするストレッチ素材「オールフレックス」でも販促を強化。適度な伸縮性、防透け性、工業洗濯への耐久性などをワークウエアや食品白衣、病院白衣向けに売り込んでいく。

 テキスタイルや製品OEMで展開してきたドレスシャツ向けの丸編み「Zシャツ」や「Eシャツ」をユニフォームでもプロモート。この間、着実に販売量を伸ばしてきており、20秋冬からは縦編みの「Aシャツ」、ポリエステル高率混の丸編み「Uシャツ」をシリーズに加え、一層の市場浸透を目指す。

〈海外拠点活用し新規商流/東レ〉

 東レは2019年度上半期、企業別注や電動ファン(EF)付きウエア向けでの拡販により売り上げ、販売数量で前年実績を超過達成。新素材やエコ素材の拡販、海外オペレーションの活用で下半期も前年増を目指している。

 先に開いたユニフォーム総合展では、蓄積臭に対する防臭性能も持たせた防汚加工の新素材「テクノクリーンDE」を出展。EFウエア向けには、業界最高レベルの紫外線遮蔽(しゃへい)性能を発揮するという「ボディシェルEX」による高密度織物を商品化しており、20春夏から打ち出す。

 エコ素材の商品ライン充実にも力を入れており、ペットボトル再生ポリエステル「エコユース」、部分バイオポリエステル「エコディア」などに加えて、このほどトレーサビリティー(追跡可能性)にもこだわったペットボトル再生ポリエステル「&+(アンドプラス)」を開発した。

 海外拠点からアパレル海外縫製への販売を上半期でほぼ倍増させており、TSD、PTHL(中国)、PAB(マレーシア)、CENTEX(インドネシア)、TTT(タイ)、TCK(韓国)の6拠点を駆使した取り組みで新規商流の開拓を強化する。

〈「アゼック」バリエーション拡充/シキボウ〉

 シキボウはユニフォーム地として根強い人気がある校倉造り構造織組織の高通気生地「アゼック」のバリエーションを拡大する。SDGs(持続可能な揮発目標)への対応も強める。

 アゼックはユニフォーム分野での人気が高く、グッドデザイン賞も受賞するなど高い評価を得てきた。これを生かし、高通気性に加えて混率の変更やストレッチ性や消臭など機能加工を施すなど商品バリエーションを拡大する。

 世界的にSDGsへの要求も高まってきた。このため持続可能な科学的農法で栽培されている米綿使い証である「コットンUSA」認証素材の活用を進める。合繊でも再生ポリエステル使いの活用も改めて強める。同社は現在、環境に配慮した商品群を「エコテクノ」ブランドとして再定義しており、これもユニフォーム分野に応用可能となる。

 そのほか防汚加工にも力を入れる。ユーザー企業の工場などに出向き、その工場特有の汚れに対する防汚機能の確認や強化などカスタムメイドの改良にも取り組む。

〈インビスタ/高耐久素材「コーデュラ」〉

 インビスタは高耐久性素材「コーデュラ」で欧州のトレンドでもあるストレッチ素材を拡充し、「A+A2019」で披露した。

 「欧州の厳しい家庭洗濯にも耐えられるストレッチ素材が開発できた」ことから、得意とするレインフォースメント(補強)用途のほか、身生地でもストレッチ素材を提案。そのほか、難燃素材も後加工によるものや難燃原料を組み合わせたものなどで拡充し、紹介した。

 コーデュラは欧州のワークウエア中心にトップブランドで採用され、拡大している。ワークウエア分野を重要なマーケットと位置付け、日本をはじめ欧州以外の地域でも拡販に取り組む。

 日本市場では綿混の「コーデュラ NYCO」などに加え、レインフォースメント(補強)用途での採用も増えてきた。インビスタジャパンはコーデュラで、消費者向けの発信を強化する。会員制交流サイト(SNS)「インスタグラム」の日本版公式アカウントは、すでに2万8千人を超えるフォロワーを獲得。この影響力を生かし、ワークウエアの情報も消費者向けに発信する。単なる素材紹介ではなく、客先と一緒にコーデュラ採用製品を消費者に訴求する。

〈クラボウ/ユーザーの声から商品開発〉

 クラボウはユニフォームのエンドユーザーの声から開発した防汚加工「ソイルスウィープ」や消臭加工「ストロングデオ」でユニフォーム地の需要掘り起こしを進める。

 これまで堅調が続いていたユニフォーム地販売だが、2019年度下半期(19年10月~20年3月)に入ってからは流通在庫の増加などからやや勢いが鈍化した。このため今後はさらなる商品開発と提案の高度化を進める。

 ソイルスウィープは作業服だけでなく食品分野のユニフォームや白衣用途でも採用されつつあることから、着用試験による改良に取り組む。高い消臭機能を持つストロングデオは繊維評価技術協議会の「SEK消臭加工マーク」も取得した。工業洗濯50回後も機能が持続する高耐久タイプも開発する。

 世界的にサステイナビリティーへの要求が高まっていることから、再生ポリエステル使い「アフターペット」をSDGsに対応した商品として再定義する。その一環として、海洋プラスチック問題の解決を目指す環境省のキャンペーン「プラスチック・スマート」にも参加した。

〈泉工業/工業洗濯対応のラメ糸〉

 ラメ糸製造販売の泉工業(京都府城陽市)は、工業洗濯にも対応したラメ糸「タフテックス」でユニフォーム分野への参入を強める。作業服などもファッション性を求める動きが強まり、ラメ糸の需要開拓の可能性が高まった。

 ユニフォーム用途は摩擦強度や耐久性が重要であり、生地も後染め品が主流のため染色整理加工でラメ糸に変色や剥離が発生しないことが不可欠。この点で同社は後加工にも耐えるラメ糸「ジョーテックス」を主力としてきた実績が生きる。

 オフィスユニフォームで既に一部採用されているが、サービスユニフォームやワーキングユニフォーム用途への参入を強める。特に工業洗濯への対応が求められるケースも多いことから、カーペット向けで実績のあるタフテックスをユニフォーム用途にも提案する。刺しゅうや織りネーム向けには平状ラメ糸「エンブライト」も提案する。

 今後、ユニフォーム地を手掛けるテキスタイルメーカーへの提案を進めるが、同社の強みである“相談できるラメ糸メーカー”をユニフォームでも重視し、ラメ糸の取り扱いに関する情報提供も積極的に行う。

〈モリリン/原着で5千色、小口も対応〉

 モリリンのユニフォーム向け生地・縫製品の2020年2月期の売上高は前期比10%の増収を見込む。ユニフォーム業界全体の好調さに加え、新規開拓が進んだことが奏功した。今後も素材からの提案に力を入れる方針で、来年9月をめどに5千色展開で小ロットにも対応する原着ポリエステルの供給を始める。

 ここ2年で東京支店、名古屋支店、福山事務所で営業、非営業を含めて人員の増強を図ったことが寄与し増収に結び付いた。特に東京支店では既存先の深耕とともに新規先の開拓も進んだ。さらに、独自混綿技術で吸湿発熱や消臭性に優れる中わた「コズミックスウォーム」といった新商品も好調だった。

 今後もワーキング、サービスユニフォーム向けで糸や生地など素材からの提案を軸にする。その一つとして打ち出すのが原着ポリエステル。1色500㌔から展開し、染色工程を経ないためサステイナビリティー(持続可能性)にも対応する。不安定だった色の再現性もクリア。同社の技術を投入した生産背景を生かした。

〈レンチング/「リフィブラ」でサステ発信〉

 オーストリアのレンチングは、今月5~8日にドイツで開かれた「A+A2019 国際労働安全機材・技術展」に出展、ユニフォーム市場へ再生セルロース繊維「テンセル」や難燃レーヨン「レンチングFR」などの販路開拓を強めている。

 ユニフォームでサステイナビリティー(持続可能性)への重要性が高まる中で、木材パルプの一部の代替として衣料(綿製品)の端切れを加えて生産するプロセス「リフィブラ」をアピール。素材廃棄の削減につながり、繊維産業の循環経済に貢献できる。

 5年前からテンセルでシューズ向けにも力を入れ、アッパーやソールなど全ての部位の原材料として使用が可能、日本企業のカジュアルシューズへの採用実績もある。安全靴、作業靴でもサステイナビリティーの切り口で提案する。

 レンチングのPPE(個人保護具)など労働安全市場向けの販売は全売上高の3%程度とまだまだ少ない。テンセルでは軽さや環境配慮、染色性の良さなどを訴えながら市場を広げる。