台湾・繊維イノベーション(下)/日本でも採用拡大へ

2019年12月27日(Fri曜日) 午後3時6分

 博祥国際は今年10月、台湾繊維業の業界団体、中華民国紡織業拓展会(紡拓会)が大阪で主催した台湾企業の素材見本市「パンテキスタイルフェア大阪2019」に初めて出展。織布・編み立て工場や商社にウモーアフィルを売り込み、日本での一層の認知度向上を図ることを狙った。

 日本でウモーアフィルの糸を使った生地を生産する工場が増えてきたことから出展を決めた。来年は日本の服飾ブランドが相次ぎウモーアフィルを採用する意向を示しているという。

 2日間の開催中、ひっきりなしに日本の商社が訪れ、サンプル受注が入った。一部バイヤーからは21春夏商品の開発計画の商談も入っており、日本企業との提携に確かな手応えを感じている。

 博祥国際は現在、生産拠点を桃園市と宜蘭県に置く。ウモーアフィルの製造技術の発明特許は12年に台湾で取得したほか、欧州連合(EU)、日本、米国でも「Beauty Fiber(ビューティー・ファイバー)」の名称で商標権を取得している。

 ウモーアフィルは12年にイスラム教の戒律に沿った商品であることを証明するハラル認証も取得した。台湾の繊維製品としては初めてといわれる。世界的なファッションブランド工場の多くがトルコにあるため、ハラル認証は中東市場の開拓に役立つとの考えだ。

 繊維産業は原料の開発から紡績、織布、染色、仕上げ、縫製と川上から川下までをつなぐ産業チェーンを形成している。

 侯氏は、「われわれはその中でも原料の研究と素材の開発を担う川上に位置するが、ウモーアフィルは産業全体を動かす大きなビジネスチャンスを握っている」と強調する。

 自社の売上高は年間2億~3億台湾ドルだが、川下の布地になると価格は10倍、既製服はその5~10倍にもなる。合計すると年間生産額は数十億台湾ドルだ。今やウモーアフィルの顧客は台湾だけでなく、海外のファッションブランドも名を連ねる。

 川下に当たる労働集約型の既製服メーカーは、東南アジアやアフリカなどに移転し、台湾に残ることは難しいが、素材の研究開発(R&D)は台湾で続けることができる。

 侯氏は、「ウモーアフィルは台湾の繊維革命の象徴でもある。廃棄されるうろこを使ったサステイナブル(持続可能な)素材として、世界の繊維業界の中でも大きな注目を集めている。台湾から世界へウモーアフィルを売り込んでいく」と力を込めた。〔NNA〕

(おわり)