産資・不織布通信(29)

2020年03月23日(Mon曜日)

布に再現性高い昇華転写技術

NISSHA

電子部品製造のNISSHAは、子会社の日本写真印刷コミュニケーションズ(京都市)で、ポリエステル布に再現性の高い印刷を施す昇華転写技術を打ち出した。「ファブライト」と銘打って店舗やショールームの内装などの空間を美しく演出できる技術として売り出す。

 NISSHAは展覧会図録や豪華装丁の美術本などで高度な印刷技術を培ってきた。文化財を高度なレベルでデジタル化する技術、実物を限りなく忠実に再現する複製技術を駆使し文化遺産を次代に継承する事業にも取り組んできた。そうした印刷技術がこの商品には生かされている。

 印刷のプロとしてのノウハウ、具体的にはカラーマネジメントが同社の強みとなる。「同じ解像度のプリンタを使っても印刷用のデータの作り方によってイメージ通りの色や質感の仕上がりになるとは限らない。三ツ星シェフのレシピ通りに素人が料理しても同じ物はできない」(経営企画部広報グループの高橋大樹グループ長)。

 ファブライトは、従来の印刷メディア(紙、塩ビ素材)ではなく、ファブリックに意匠を印刷し内照式サインで全面むらなく発光させる仕組みを持つ。高品位なカラーマネジメントと高精細な印刷技術を用いた布製品だ。昇華転写技術で印刷したファブリックとLEDバックライトを組み合わせたLEDパネルは、店舗やショールームの内装、電飾看板などの用途に適している。

 絵柄を印刷した布を専用バックライトで照らすというこのシステムは紙よりも鮮やかで大サイズでも均一な色再現が得られる。照明の光や見ている本人、対面の映り込みが少なく、視認性を高めている。デジタルサイネージやコルトン(内照式の看板などに使用するプラスチック製フィルム)はガラス面に映り込みがあり見栄えを悪くする。

 ファブライトは、持ち運びやすく耐久性が高いため繰り返し使用できる。ファブリックの掛け替えに専門の作業員や工具は要らない。布はポリエステルのため、コルトンパネルなどに比べ廃棄時の環境負荷を減らす。布が持つしなやかさと上質さを生かした表現ができる。

(毎週月曜日に掲載)