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帝人グループ/「未来の社会を支える会社」へ/新中期経営計画を推進

2020年03月24日(Tue曜日) 午後1時27分

 帝人グループは4月から中期経営計画2020―2022『ALWAYS EVOLVING』に取り組む。「たゆまぬ変革と挑戦」によって新しい価値を創造し、持続可能な社会の実現に向けてソリューションを提供することで「未来の社会を支える会社」を目指す。

〈三つのソリューションを提供〉

 帝人グループは企業理念を原点に、持続可能な社会の実現に向け(1)環境価値(2)安心・安全・防災(3)少子高齢化・健康志向――という三つのソリューションを中心にした価値を社会に提供しようとしている。

 「環境価値」は気候変動に対する緩和と適応、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現など、世界的な地球環境目標の達成に貢献する。「安心・安全・防災」は、災害、事故などさまざまなリスクから生命と暮らしを守る。「少子高齢化・健康志向」は、あらゆる年齢の人々の健康的で快適な生活を支える。

〈「成長基盤確立期」の重点施策〉

 この3カ年を長期ビジョン実現に向けた「成長基盤確立期」と位置付け、三つの重点施策に取り組む。

(1)機会創出

 設備投資とM&A(合併・買収)を合わせた投資額は3カ年で3500億円に拡大する。現中計での実績見通しは2400億円である。

 この投資額の85%を三つのソリューション領域に充てる。それにより、3領域の売上高比率を30年度までに75%まで引き上げる。

 各事業のステージに基づき、事業分野を「将来の収益源育成(Strategic Focus)」と「利益ある成長(Profitable Growth)」に大別し、投入資源を配分する。「将来の収益源育成」分野に60%(循環投資を除く)を投入し、30年度までに、この分野のEBITDA(償却負担前営業利益)を全体の3分の1以上にすることを目指す。

(2)リスク低減

 中期経営計画の策定に合わせ、環境負荷低減に関する長期目標を定めた。

 2030年度のCO2排出量を18年度対比で20%削減し、50年度には実質ゼロを目指す。サプライチェーン全体でのCO2削減を促進するため、「CO2削減貢献量」という目標を新設し、30年度には削減貢献量が総排出量を上回ることを目指す。

(3)経営基盤強化

 「組織」「シナジー」「技術」「人財」という4つの側面からイノベーションの創出基盤を強化する。

 「組織」では、2020年4月にイノベーション推進組織を立ち上げ、全社的・長期的視点での研究開発・新事業開発を支援する。マテリアル領域では、2020年度中に欧州に技術開発拠点を新設し、環境対応分野に注力する。ヘルスケア領域では、昨年10月に医薬・医療機器の研究開発組織を統合しており、革新的な医療技術の創出を目指す。

 「シナジー」では、グループ内外の協創により、単独では創出が難しい革新的な製品・サービスを拡充していく。

 「技術」では、デジタル・ITの活用により、イノベーションを創出していく。RPA(Robotic process Automation)の本格展開によるオフィス業務改革、事業視点での最適化を検討する製造・販売業務改革、データ活用R&Dの展開・運用による研究開発業務改革などを推進する。

 「人財」では、働き方の多様化、女性活躍、人財の多様化をさらに進め、組織活性化とイノベーション創出を加速させる。

〈ROE10%以上を目指す〉

 この中計では、「投資効率」と「稼ぐ力」の両面に力点を置き、最終年度の収益性指標としてROE(自己資本当期純利益率)10%以上、営業利益ROIC(投下資本営業利益率)8%以上、成長性指標としてEBITDA1500億円を掲げる。

 2019年度(見通し)はそれぞれ8%、8%、1080億円である。