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特集 メディカル・介護ウエア2020(2)/2020年の注目商品/オリジナリティー追求で差別化図る

2020年03月27日(Fri曜日) 午後4時25分

 メディカル・介護ウエア各社は、機能面やデザイン面からそれぞれの強みを生かした戦略商品でシェア拡大を図る。現在のヒット商品とともに、2020年の最新商品を紹介する。

〈信大との共同開発商品投入/サーヴォ〉

 サーヴォは、ナースウエアと病院事務向けのウエアを共通のデザインテイストでそろえられる「グロウイングナース」シリーズや、同シリーズでナースや患者の心の癒しをテーマに日比谷花壇と共同開発した商品が好調。

 今期は、実際の看護現場での腕、肩回り部分の動きやすさを追求したパターンを信州大学感性工学コースと共同開発した商品「スムーヴ」を投入。背中部分の生地をバイアス裁ちすることで、生地が伸びやすくなり肩から腕にかけての動きがスムーズになるほか、生地の伸びを妨げ、つっぱり感の原因になる肩と袖付け部分のシーム(縫い継ぎ)をなくすことで、腕の前後上下の動きが快適になる。実証実験では従来品との比較で、筋肉活動量が最大で約24%減少したという。

〈色落ちしないスクラブ/フォーク〉

 フォークの今期主力新商品となるのが、色落ちしないスクラブ「ジアスクラブ」。業界初という感染症対策商品で、「80℃以上の熱湯に10分浸漬」「0・05~0・5%(500~5000ppm)の次亜塩素酸ナトリウムに30分間浸漬」にも対応しているため、熱湯や除菌・殺菌に使われる薬剤でも変色、退色しない。

 特に除菌力のある次亜塩素酸ナトリウムは、器具、機材、消毒や施設内での清掃などにも使用され、意図しないところでユニフォームにも付着するケースがあるが、それが原因で色落ちすることはないという。

 ベーシックなデザインのスクラブとパンツで男女兼用SS~4Lの7サイズ5カラーで展開する。価格はスクラブ3500円、パンツ3800円。いずれもポリエステル100%。初年度3万点の販売を目指す。

〈「プロファンクション」拡充/ナガイレーベン〉

 ナガイレーベンは、動作性に加え、吸湿、涼感、肌触りにこだわったプロファンクション機能の拡充を図る。多彩なカラーで個性を出せる今期の新作「ニューソング×プロファンクション」シリーズでは、医療従事者の快適な環境のために開発されたという東レの新素材「ソアブール」を採用。チュニックはソフトな伸縮性、滑らかで上質な表面感の素材で、ニット特有の通気性と特殊な糸使いによる接触冷感性能、汗冷えしにくい速乾性が特徴となっている。

 プロファンクションは、肩の突っ張りを軽減するエアーアームカットや、衣服内の空気が循環するポンピング効果、涼感を高める高機能メッシュなどの工夫が施されている。

 この他、資生堂と共同研究した日本人の肌を奇麗に見せるナースウエア「ブライトデイズ」で新デザイン、人気商品「ミッフィー」シリーズも5年ぶりに新作が登場する。

〈上質感を表現したウエア/KAZEN WLD〉

 KAZEN WLD(カゼンダブリューエルディー)の4D動体裁断のメディカルウエアシリーズが医療現場で認知され好評だ。ストレスフリーを実現した動体裁断、医療現場に対応したこだわりの仕様、豊富なカラー展開、コストパフォーマンスなどの特徴を持つ。

 今期は、「KAZEN」ブランドから「スマートスクラブ エレガント」を発売。ナースに加え、病院の事務や受付、コンシェルジュをターゲットに上質感を追求している。軽量、吸汗速乾、ストレッチ機能を持った高機能素材を採用した商品は、洗濯耐久性にも優れ、シワになりにくい。ジャケット半袖をレディース2品番3色、メンズ1品番2色で展開。高級感を打ち出す病院やクリニック向けに提案していく方針。事務服にかけるコストを削減したいというニーズにも対応するため、価格はレディース7200円、メンズ7600円に設定した。

〈モチベーション向上と安らぎ/アイトス〉

 アイトスは「ホワイトプロス」で、レディース向けの半袖ジャケット「862163」と脇シャーリングパンツ「862166」を投入する。動きやすさや着心地などの快適さを重視し、働く人のモチベーションの向上や安らぎを与えるデザインをコンセプトに企画した。

 ジャケットは腰ポケットの斜めのラインと配色でスマートさを演出。Vネックと小さめの襟で洗練された印象に仕上げた。パンツは脇ゴム仕様で快適に履くことができ、ノータックで清潔感のあるすらりとしたデザイン。

 素材は両商品ともポリエステル100%。カラーはジャケットでホワイト×バーガンディ、ピンク、ネービー、パンツでホワイトとネービーをそろえた。

 価格はそれぞれ1万1400円、9300円。

〈衛生面への配慮を重視/セロリー〉

 セロリーは、空気触媒加工「ティオティオ」を施したポロシャツで「65531」シリーズを打ち出す。衛生面への配慮を重視し、防汚・消臭、繊維状のウイルスの数を減少させる機能などを付与した。吸汗速乾性やストレッチ性など定番の機能も備える。

 訪問介護やデイサービスなどのニーズの高まりに伴って、最近では介護施設の小規模化や多機能化が加速している。65531シリーズでも7色を展開しているが、今後、カラーやアイテムの充実で多様化に対応する。

 現場の声を受けて開発した「ケアカーディガン」は、引き続き販売が堅調。パターンの工夫によってボタンを留めなくてもかがんだ時に前部が広がらない仕様や、角度とサイズを使いやすいように調整した後ろ振りポケットが評価されている。

〈幅広い世代の支持を/明石SUC〉

 明石スクールユニフォームカンパニー(明石SUC)のアクティブチャレンジ部は、軽さと防透性を備えた生地「シルキートリコット」使いの看護ウエアで、若い世代のニーズが高い襟なしのジャケットを打ち出す。2020年企画として発表し、幅広い世代に支持されるよう商品構成を充実させる。

 19年企画は、ケーシーやパンツ、比較的高い年齢層から支持されている襟付きジャケットなどをラインアップしていたが、今回、若年層向けに襟なしジャケットを追加する。

 主力のメディケア向け「ルコックスポルティフ」で、同生地を使った商品の引き合いが増加。接触冷感やストレッチ性などその他の機能も高く評価されている。

 スクラブなどではホワイトのニーズが根強いが、シルキートリコットのシリーズは、ルコックのスポーツブランドならではのシャープな配色を取り入れた。職掌や選択制による色分けなど、多様化する医療現場のニーズに応えている。

〈看護のプロへ価値提供/住商モンブラン〉

 住商モンブランは病院の現役看護部と共同開発した看護師ユニフォーム「プロ・プライド」を昨年秋に発表、拡販に力を入れている。「患者様に提供できる価値」を開発コンセプトに、ユニフォームに求められる機能、デザイン、カラーを追求した。

 「プライドを持って働くプロフェッショナルにふさわしいユニフォームを目指した」と同社。スマートなシルエットに仕立てたユニセックスなデザインが男女問わず知的な雰囲気や信頼感を演出する。スタンドカラーや胸元の配色アクセントなど、シンプルな中にもメリハリを加えてスタイリッシュな印象に仕上げた。

 ナースジャケットとメンズジャケットの展開で、素材はポリエステル100%。価格はナースが7500円、メンズが7800円。多彩なカラーも魅力の一つ。

〈スクラブで新たに5色追加/ヤギコーポレーション〉

 ヤギコーポレーションは、12色で展開する人気のメディカルウエアブランド「リゼルヴァ」B8497シリーズのスクラブで、ブルー、ピンク、サンドベージュ、ライトグリーン、コバルトブルーの5色を追加、17色の豊富なバリエーションから選べる。ポリエステル100%で、着脱がスムーズな左脇ファスナー使いが特徴。価格は4500円。

 2019年は、立体シルエットのジャケット仕立てながら値頃感があり、チームウエア、個人購入で好調なリゼルヴァの定番ドクターコートと、同定番スクラブが高評価を得ている。このほか、取り扱いの良さ、気持ち良い着用感とリーズナブルな価格帯で現場からのニーズが多い洗濯機対応可能カーディガンや、リハビリ・訪問系の職種に向く高伸縮性で“かっこいい”シルエットのパンツを企画。スクラブやポロシャツなど、さまざまなアイテムとのコーディネートを提案している。

〈クール&ベントシリーズを展開/チトセ〉

 チトセは、「ミズノ」の「クール&ベント」シリーズを薦める。熱がこもりやすい背中上部と脇部にメッシュを配置することで、内部の熱を効果的に外に排出する仕組みを実現した。

 身生地も肌触りが良く、吸汗速乾機能のある「制電トロピカル」を採用。体の動きを邪魔せず、熱や湿気を服の外に誘導させるために、改めて裁断の検討を重ね、着る人のニーズに応えるオリジナルパターンを考案したという。価格はスクラブ4800円、女性ジャケット5600円、男性ジャケット5800円。素材はいずれもポリエステル100%。色はピンク(男性ジャケット除く)、ネービー、ブラック、ワインをそろえた。

 2019年は、メディカルウエア「ユナイト」の男性向け半袖ドクターコートがネット通販で好調だった。

〈季節・気候に合わせた企画/トンボ〉

 トンボは、メディカル・介護ウエアのベースブランド「キラク」で「清涼」シリーズを訴求している。季節・気候に合わせた商品企画を充実させ、現場のニーズを捉える。

 清涼シリーズのポロシャツは、キュプラ10%・機能性ポリエステル90%の生地「モイステックス」使いで吸湿・放湿性、ストレッチ性に優れる。メンズパンツとレディースパンツはポリエステル100%。暑い時期でも現場スタッフが快適に働ける商品開発に努めた。

 同社は昨年7月に発刊したカタログで、いつもより多めに商品を発表した。独自開発の軽量ポリエステルニット「ピステックス」を使用し、ニットながら防風性能を両立させた「防風ジャケット」もキラクと「ヨネックス」ブランドで展開。順調に引き合いを得ており、各季節に対応できる商材を開発している。

〈軽量スクラブシリーズを投入/ミドリ安全〉

 ミドリ安全は、トリコットシリーズのナースウエアが昨年から順調。柔らかいニット素材を使用しており、肌触りの良さや「ベルデクセル機能(新立体裁断構造)」の動きやすさが特徴の商品。ナース向けに開発したが介護分野でも採用が進んでいる。ポロシャツよりファスナー付きスクラブが評価されているという。

 今期は、「ベルデクセルメディカル」ブランドの軽量スクラブシリーズを薦める。男女兼用SS~6Lで展開。上はファスナータイプ、かぶりタイプの2種で、素材はいずれもポリエステル100%。吸汗速乾性があるほか、動作性に優れた新立体裁断構造で、胸部にPHSポケットや後ろ側裾ポケットを付けた。カラーはネービー、ワイン、ロイヤルブルー。総ゴムパンツは開脚時に股下や太もものつっぱり感を軽減する仕様となっている。

〈介護現場特化の機能性/ボンマックス〉

 ボンマックスのケアスタッフウエア「ナチュラルスマイル」ブランドでは特にケアワーカー用ポロシャツを中心に好調。昨年7月に発売した「ケアワークポロシャツ」は、介護現場でスタッフが感じるストレスの一つとして挙げられる臭い問題に対応した商品。消臭機能を持つ素材「デオセル」を採用することで空気中のアンモニアをスピード消臭できる。汗の臭いや加齢臭にも対応。

 両サイドには収納力のある大きめのポケットが付いているため、カンファレンス用のメモや水回り作業に使う予備のタオルを携帯したいときにも便利。深めの前立てで脱ぎ着しやすい襟元は、リブ仕様でユニット分けできる3色展開。女性が気にするヒップ周りを隠すデザインとなっている。

〈肌を明るく見せるカラー/オンワード商事〉

 2019年はデザイン性と機能性を兼ね備えたスクラブ「アスメディカル」シリーズが好調だった。特にキュプラ混の高機能トリコット素材は、ストレッチ性、肌触り、軽い着心地で評価が高い。

 今期は、「ボタニカル・ガーデン」シリーズを薦める。女性の肌を美しく見せるニュアンスカラーを採用。ラインアップは、レディースジャケット、ホワイトスクラブ、カラースクラブで、ペアデザインも。職種で色やデザインを分ける際も統一感のあるトータルコーディネートが可能で、総合病院や大学病院で採用が進む。

 機能面では、現場の看護師へのヒアリングなどを基に着用しやすさを重視した機能を盛り込んだ。視認性の高いカラーラインアップのスクラブは、働き方改革の一環として日勤と夜勤で色分けすることで、残業時間削減に取り組む病院からの引き合いがあるという。

〈究極のベーシックウエア/シーユーピー〉

 シーユーピーは、ベースブランド「プロフィーリング」の25周年を記念し、これまでのノウハウを生かした半袖ポロシャツ「PK397」シリーズを打ち出す。「真・スタンダードポロシャツ」をコンセプトに、着心地やシルエット、動きやすさ、介護現場に必要な機能性を盛り込み、“着ておけば間違いない”究極のベーシックウエアとして発表する。

 ポリエステル90%・キュプラ10%の清涼素材を使用し、3ポケットや長めの着丈、脇ループなど仕立てにこだわった。ポケット下部を生地で補強し、ペンなどで破れにくいように仕上げた。工業洗濯にも対応し、取り扱いがしやすい。

 従来の各商品で評価された点を余すことなく反映させた。デザインも人を選ばないシンプルさでユニセックス仕様。カラーは10色をそろえている。