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特集 サマーウエアリング(1)/“賢い選択”の推進を/百貨店系メンズ商品

2020年04月07日(Tue曜日) 午後1時26分

 わが国は2030年度の温室効果ガス排出量を13年度比26%減とする目標を掲げる。家庭部門では約4割の削減を目安とする。この実現には、エコ的な「製品への買い替え」「ライフスタイルの選択」など“賢い選択”の推進が必要になる。衣料業界で「クールビズ」は定着したが、ビジネスウエアのカジュアル化もあり、昨今はセットアップの機能性強化が進んでいる。

〈「エアリームーブ」登場/快適な機能性を詰め込む/オンワード樫山「五大陸」〉

 オンワード樫山の「五大陸」は20春夏のスーツで高品質×機能性を追求する。フランス・ドーメル社のウール100%ストレッチ「エクセル」、イタリア・ゼニア社のストレッチ加工ウールなどの生地は、高品質と機能性を融合するものだ。

 人気のセットアップでは、「エアリームーブ」が20春夏からデビュー。マシンウオッシャブル、ハイストレッチ、防シワ、軽量感に優れるなど、機能性を詰め込んだ商品である。開封後も継続使用可能な真空パックに入れて販売する。

 エアリームーブではウール100%のウオッシャブルセットアップ、オリジナル柄のポリエステルセットアップなどを展開。ウールセットアップは、家庭洗濯でき、通常のスーツ使いやカジュアル合わせも可能。クールドッツセットアップは、生地に通気孔を持つ特殊素材を使用。高い通気性で防シワにも優れ、軽量ストレッチで快適な着心地を提供する。このほか、中に着るスビンコットンの大人Tシャツも提案。夏のクールビズでは、イタリア・レダ社のウール100%シャツも展開し、これもウオッシャブル対応する。

〈機能ウエア企画が好評/盛夏向け仕様スーツも/三陽商会「ポール・スチュアート」〉

 三陽商会の「ポール・スチュアート」は機能的なビジネスウエア「スチュアーツ トラベラー」を展開する。2017年にスタートし、着用時の快適さを追求したビジネスアイテムとして好調に推移する。20春夏は素材や仕様をジャストシーズンに合わせて、多様化するビジネスシーンに対応。月別MDも強化している。

 スチュアーツ トラベラーのスーツやジャケットは、軽い着心地と構築的なシルエットを具現化するため、天然繊維を主としてオリジナルに開発したハイスペック糸を使用して、毛芯やパットなどを極力使わない設計にした。素材はナチュラルストレッチ性がある。反発性の高い糸を使うことで、シワになりにくく、出張時など持ち歩きにも適する。素材に合わせて糸から開発しているため、さらりとした着用感を持つ。

 20春夏はテクニカル素材を投入、合繊セットアップも展開。4月はポーラ織ハウンドトゥース柄ジャケット、5月は合繊メランジプリントジャケット、6月は2WAYタフタナイロンパッカブルジャケットを投入する。

〈50周年で「継承」訴求/セットアップ拡充/レナウン「ダーバン」〉

 レナウンの「ダーバン」は20春夏に向けて50周年記念商材や新規顧客開拓の「レッドレーベル」を投入した。ブランド誕生50周年では「継承」をテーマにしたプロモーションも行う。俳優の吉田鋼太郎、藤原竜也両氏を新広告キャラクターに起用して、テレビCMでも訴求する。

 50周年記念として、スーツにイタリアのロロ・ピアーナ社のスーパー200's、ピアセンツァ社のジャカードを採用。日本毛織のトラディショナルシープ「ジール」も生地に使う。

 次世代向けに「レッドレーベル」を立ち上げた。セットアップ(3品番)で30~40代が買いやすい価格(6万3千円)で投入する。ストレッチ、吸汗速乾性を持ち、ウール70%・ポリエステル30%の生地である。

 クールビズ対応ではコードレーンウオッシャブルセットアップを提案する。ウール100%ながら洗うことができる。ダーバン宮崎ソーイングで仕立てたコンストラクテッド仕様。軽量でビジネスシーンにも最適という。パンツはドローコード付きでリラックス感がある。

〈カジュアル品番に強み/ショーツなども投入/ジョイックスコーポレーション「ランバンコレクション」〉

 ジョイックスコーポレーションは、紳士服「ランバンコレクション」20春夏企画で、カジュアル品番を強化した。シャンブレータフタ素材のサファリジャケットやカーゴパンツ、オーバーサイズのリネンシャツなどを投入。店頭で堅調なスーツ品番に加え、視覚的に鮮やかなカジュアルウエアで売り場を彩る。

 同社では「ディープカラーのトロピカル柄で幻想的な世界観を打ち出す」と説明する。ネップツイードでジャケットを作り込むほか、幾何学柄を施したブルゾンなど、柄変化やカラーバリエーションを豊富にそろえる。リラックス感のあるショーツや異素材の切り替え仕様でモード感のあるコートといったアイテムも特徴。「これだけの柄とカラーを展開するのは数年ぶり」とし、新規顧客の開拓に期待感を示す。

〈機能でトレンドに応じる/新鮮なスタイリングも/ダイドーフォワード「ニューヨーカー」〉

 ダイドーフォワードが展開する「ニューヨーカー」は、世界的にトレンドの一つとなっているパフォーマンスウールに着目し、機能アイテムを拡充する。アイテム別では着こなしの幅が広がるセットアップを中心に、コーディネートを意識した新鮮なスタイリング提案で多様化するニーズに応える。

 スーツでは、プロサッカーJ1の鹿島アントラーズオフィシャルスーツ用生地として開発した「バンジークロス」を打ち出す。ストレッチ性と着心地の良さ、強いキックバックなどが魅力。ジャケットでは、尾州産地の中でも凝った素材使いが特徴のメーカーの五者混糸を使った商品を投入する。

 パフォーマンスウールシリーズ「レダ アクティブ」からはブレザー2型、Tシャツ1型を発売する。ブレザーはメリノウールを使ったニットや表情のあるリップストップを使う。Tシャツは機能と高級感を両立した。

〈シルク素材のジャケット/高密度で生地にハリ感/トレンザ「ヒッキー・フリーマン」〉

 トレンザ(大阪府枚方市)は、紳士服「ヒッキー・フリーマン」20春夏企画で、上質なシルク生地を採用したジャケットを拡充する。イタリアのロロ・ピアーナ社から調達したホワイトカラーシルクで製作したジャケットが代表的なアイテム。高密度のシルク生地で、ハリ感のある商品に仕上げている。

 同社では「エレガントなジャケットやスーツを製作するには最適。シルク生地を欧州の素材メーカーに別注した」と語る。角度によって見え方が変わるストライプパターンや、番手の異なるシルク糸と撚糸効果で立体感のあるジャケットを作り込むなど、特徴的な品番が並ぶ。ニューヨーク発のエグゼクティブ・ファッションを改めて訴求し、古き良き米国スタイルを意識したフェード感(くすんだトーン)のあるスタイルを提案している。