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スタイレム/サステ、付加価値化に力/海外市場向け拡大も継続

2020年04月09日(Thu曜日) 午後1時2分

 スタイレムの酒向正之社長は、新型コロナウイルス感染やアパレルの生産数量抑制方針によって商流が停滞していることを受け、サステイナブル(持続可能な)対応を推進するとともに、付加価値商材の開発を加速する考えを示す。海外市場向け生地販売も引き続き拡大させる。

 酒向社長は前期(2020年1月期)を、「サステイナブルの1年だった」と振り返る。アパレル各社が環境配慮商材への引き合いを強め、同社もオーガニックコットンやBCIコットン、キュプラ繊維、トリアセテート繊維の増強提案などで対応を進めた。

 一方で、アパレル製品の廃棄問題に端を発して供給過剰の反省に立つアパレルは生産数量の抑制政策を打ち出し、同社への生地発注にも影響を及ぼした。

 酒向社長によれば前期は「悪い中でも高品質な商材を扱っている部署の調子は相対的に良かった」。サステイナブルの意識が浸透する中で、本物志向や「良いものを長く使う」という消費者が増えたためとみられる。「今後もこの流れは続くだろう」とし、生地、製品の両面で、高品質で付加価値の高い商材の開発、提案に改めて力を注ぐ考え。

 一方、「リードタイム短縮の流れの中で定番生地も堅調」なことから、備蓄機能の充実、精度向上によってQRニーズにも対応する。

 海外市場向け生地販売は前期も拡大した。デモで混乱した香港向け、日韓関係が悪化した韓国向けは苦戦したが、主力の中国向け、欧米向けは外・外含めて伸び、全体で前の期比8%増だった。

 新型コロナの影響の程度は「読めない」ものの、「今後も(海外市場向け拡大方針は)変わらない」とし、中長期的な成長戦略を描く。