メーカー別 繊維ニュース

特集 安心・安全(5)/熱中症対策/社会的ニーズに応える

2019年08月08日(Thu曜日) 午後2時13分

 日本でも熱中症のリスクが社会的に広く認識されるようになった。特に労働現場では人手不足と労働者の高齢化を背景に対策が必要不可欠に。こうしたリスクに対応するために繊維製品が果たせる役割は大きい。

〈織り設計と加工で涼感実現/シキボウ〉

 シキボウは得意とする後加工や織り設計の工夫で多彩な涼感素材を開発してきた。最近では涼感加工生地「アイスキープ」や高通気生地「アゼック」を熱中症対策として打ち出す。

 アイスキープは綿100%やポリエステル綿混生地にメントールを加工したもの。生地が肌に触れるとメントールの効果で涼感を生じさせる。最近では電動ファン(EF)付ウエアと合わせて使用するインナーで採用が広がってきた。シャツ地でも実績がある。

 独自の校倉(あぜくら)造織構造による高通気生地、アゼックも好調が続いている。高通気性能に加え、生機を備蓄することで短納期にも対応していることが高評価につながった。ストレッチタイプなどのニーズも高い。通常のポリエステル65%・綿35%混タイプに加え、ポリエステル混率を80%に高めることで強度と形態安定性を増したタイプも開発した。

 アイスキープとアゼックの融合にも取り組む。編み組織の工夫で通気性を高めたアゼックのニットタイプも用意しており、アイスキープの加工を施すことでさらなる涼感を実現できる。やはりEFウエア用途で可能性が広がる。消臭加工「スーパーアニエール」も加えることでニーズが高まる臭い問題にも対応できる。

〈ウエアラブル冷却装置「ジャストクール」発売/空調服〉

 空調服(東京都板橋区)はミスト機能付きファン式ウエアラブル冷却装置「ジャストクール」を開発した。バッテリー稼働の装置で腰の後ろに取り付け、衣服内に空気を送り込んで体表を冷やす。空気と一緒に霧(ミスト)を噴霧することで効果を増す。屋外作業者だけでなくビジネスシーンや一般にも普及を図る。

 電動ファン(EF)付きウエアの先駆けである同社の空調服は今夏も好調な売れ行き。猛暑続きで市場はEFウエアが大量に流通しており、水冷式の服や衣服に取り付けるファンなど、毎年さまざまな用品が開発されている。

 同社はブルゾン型を基本にパンツだけの空調服、ベストタイプなどのバリエーションを増やす一方、一般向けの企画を打ち出している。2018年には渋谷ロフトにポップアップストアを出店、来店客に空調服の効果を体感してもらった。今春にはゴルフ向けの「エアーコンポ」を発売している。

 ジャストクールは普段着に装着でき、連続で4時間強稼働する。夏場の外回り、野外フェスなどにも重宝しそうだ。7月に東京ビッグサイトで開催された「猛暑対策展」で披露し、注目を集めた。

 「当社は独自の『生理クーラー理論』に基づいた開発を続けており、新商品はより使いやすい設計とした。サービス業やオフィスワーカー、レジャーなど、新たなニーズを開拓していきたい」と話している。