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素材開発最前線2020 紡績のイチ押し機能加工(4)/フジボウテキスタイル/非フッ素の撥水加工も開発

2020年04月17日(Fri曜日) 午前10時58分

 富士紡ホールディングスの紡績・染色加工事業会社であるフジボウテキスタイルは和歌山工場(和歌山市)でさまざまな機能加工を開発・提案している。このほど非フッ素の撥水(はっすい)加工「エコリペレント」も開発した。環境配慮型の“エコ染色”の開発が進められている。

 近年、サステイナビリティー(持続可能性)やSDGs(持続可能な開発目標)への要求が高まる中、染色加工や機能加工でも従来以上に環境配慮型商材が求められる。撥水加工における非フッ素化の流れもその一つ。

 こうした流れを受けてフジボウテキスタイル和歌山工場が開発したのがエコリペレント。撥水加工は風合いが硬化しやすいがこれを加工技術で防ぎながら撥水性は4級以上を実現した。綿やレーヨンなどセルロース系繊維だけでなく合繊混紡素材への加工もできる。

 環境配慮型撥水加工として2019年から提案を本格化させた。既に子供服用途などで受注も獲得するなど市場からの反応も良い。このため現在、他の用途の開拓に取り組んでいる。

 同社では染色加工プロセスの革新にも取り組む。水や染料・薬剤の使用量削減を進めており、そのための設備投資も積極的に実施した。使用する薬剤も安全性が高く、環境負荷の少ないものに切り替えを進める。こうした染色加工プロセスによる加工を“エコ染色”として改めて打ち出す。

 得意とする保湿成分配合加工の開発と提案も強化する。これまで提案していたシアバター成分加工「モイストシア」に続けて、保水成分として化粧品でも使用されているアルガンオイル(モロッコなどで生育するアルガンツリーの種子のオイル)を配合した加工「モイストアルガン」、オリーブオイル配合加工「モイストオリーブ」、ココナッツオイル配合加工「モイストオリーブ」を開発した。

 新型コロナウイルス感染防止のためアルコール消毒液による手の殺菌洗浄が励行されているが、その影響で肌のかさつきに悩む声が増加している。このため保湿機能素材への注目が一部で高まる。こうした動きに対して保湿成分配合加工の提案を強化する。

サステイナビリティーやSDGs、さらには新型コロナなど機能加工を巡る社会的要請はより多様化、複雑化している。こうした社会的要請に応えるために、各社の技術開発はその歩みを一段と速めている。

(おわり)