メーカー別 繊維ニュース

緊急事態約1カ月延長で/中小企業に迫る資金圧迫/出血量は倍になる

2020年05月08日(Fri曜日) 午前11時38分

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、政府は緊急事態宣言の期間を31日まで延長した。13の特定警戒都道府県は休業要請を延長したが、それ以外の34県では休業要請を解除する動きも広がっている。社会経済活動の再開に地域差は見られるが、約1カ月の延長は中小企業に厳しい対応を迫るものになりそうだ。(1面参照、4面に関連記事)

 オンワードホールディングスの緊急事態宣言延長後の対応は従来通り「館や商業施設の判断に従う」とし、「本社などの在宅勤務も原則継続」する。「特定警戒都道府県以外の地域では、少数ではあるが、時短営業で再開している店舗もみられる」(バロックジャパンリミテッド)が、「店舗は各館の状況に準じて対応する」(フランドル、イトキン、三陽商会)のが、現在のアパレルの基本方針である。

 こうした売り場の休業は、春夏物の在庫増の形をとって、中小アパレルの資金繰りを圧迫している。自治体の休業要請で社会問題化しつつある中小飲食業の廃業現象。休業要請対象ではないが、繊維産業も現実は同じような影響を受けている。

 産地では「夏物の追加生産キャンセル」「秋物のオーダー見直し」などに問題化しており、5月末までこの状態が続けば、傷口からの出血は倍になる。生産が落ちれば、協力する下請工場を支えることはできなくなる。産地に原料を供給するメーカーや商社も同様。新型コロナ後の新しいサプライチェーンの構築もこれからの課題となっている。

 リアル店舗の営業停止の中でネット通販だけが頼りの存在だ。それだけに電子商取引(EC)化が遅れている企業ほど、厳しい状況にある。EC拡大に向けた人材、資金、ノウハウを短期間に集められるか、どうか。

 国内感染者は3日に1万5千人を突破、世界の感染者も4日に350万人を超えた。欧米がここにきて制限緩和へと動き出しているが、日本は要請解除の道は見えないままだ。