タイの日系繊維企業/非常事態宣言も稼働継続/自動車関連など先行き不透明

2020年05月18日(Mon曜日) 午前10時56分

 タイ政府は新型コロナウイルス感染拡大防止のため3月26日に非常事態宣言を発令し、商業施設閉鎖や夜間外出禁止など行動制限を実施した。非常事態宣言は5月31日まで延長されたが、一部活動制限は緩和された。ただ、夜間外出禁止が続いており、日系繊維企業は当局の許可を得て操業を続けている。稼働率も完全には回復しておらず、特に自動車関連は先行き不透明感が強い。

 東レは合繊糸・わた製造のタイ・トーレ・シンセティクス、紡織加工のトーレ・テキスタイル〈タイランド〉ともに当局の許可を得て夜間操業も含めて稼働が続く。同様に帝人もポリエステル長・短繊維製造のテイジン・ポリエステル〈タイランド〉とテイジン〈タイランド〉、織布・染色のタイ・ナムシリ・インターテックス、タイヤコード製造のテイジンFRAタイヤコード、伝動ベルト・ホース用コード製造のテイジン・コード〈タイランド〉、アラミド繊維・製品製造のテイジン・コーポレーション〈タイランド〉いずれも稼働している。

 旭化成も従業員の夜間外出許可を得てスパンデックス製造のタイ旭化成スパンデックス、不織布製造の旭化成スパンボンド〈タイ〉、カバーリング糸など製造の旭化成アドバンスタイランドのいずれも稼働している。特に旭化成スパンボンド〈タイ〉はフル稼働。ユニチカも不織布製造のタスコが通常通り稼働する。クラボウは紡織のタイ・クラボウ、染色加工のタイ・テキスタイル・デベロップメント・アンド・フィニッシングともに稼働を維持する。東海染工の染色子会社、タイ東海はフル稼働となった。

 全体として各工場とも操業を継続しているが、世界的な需要減退や商談停滞の影響は大きく、一部企業を除くと稼働率は70~80%程度にとどまる。特に自動車関連は自動車メーカーが工場停止や減産に踏み切っているために受注が減少しており、先行きも不透明感が強い。

 このため例えば帝人のテイジンFRAタイヤコードやテイジン・コード〈タイランド〉、東洋紡のエアバッグ基布製造子会社である東洋紡サハセーフティウィーブ、セーレンのカーシート地・エアバッグ基布製造子会社のサハセーレンなどは今後も自動車メーカーの稼働状況に応じて生産調整があり得るとする。

〈バングラデシュ/感染者増で抑制課題に/自宅待機の長期化も〉

 日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、バングラデシュでは11日、新型コロナウイルスの1日当たりの感染者数が初めて1千人を超えた。13日の感染者累計は1万7822人、死者数269人と、感染拡大の抑制が切迫した課題となっている。

 現在、自宅待機要請やオフィスなどの営業停止措置が取られているが、経済面の打撃も大きく、政府は10日から一部商業活動の再開を容認している。しかし、感染状況の拡大を踏まえ、自宅待機要請期間を断食明け休暇とつなげ、30日まで延長する可能性があると、現地メディアは伝えている。

 日系物流企業などによると、チョットグラム港は既に稼働しているものの、港から貨物を運ぶドライバー不足や税関職員の感染により稼働率は低い。コンテナの種類により遅延日数に差があるものの、同港の輸入通関手続きは通常よりも時間がかかっている。