メーカー別 繊維ニュース

特集 快適・衛生機能の繊維素材(2)/素材メーカー/多彩な素材・加工をラインアップ

2020年05月26日(Tue曜日) 午後1時21分

〈安全性高い抗ウイルス加工/紫外線遮蔽加工も開発中/大和紡績〉

 大和紡績は機能と安全性を高レベルで両立する機能素材・加工の提案・開発を重視している。その一つが抗ウイルス加工「クリアフレッシュV」。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)を背景に注目が高まる。

 クリアフレッシュVは抗ウイルス性に加えて抗菌・制菌性も併せ持つマルチ機能加工。従来は有機化合物系の機能加工剤を使用していたが、現在はさらに安全性の高い無機物系機能加工剤に変更した。

 無機物系機能加工剤を採用したことで後加工だけでなく化学繊維への練り込み加工も可能になる。加工対象素材の拡大を生かし、幅広いアイテムへの提案に取り組む。そのほかにも清潔や衛生に焦点を当てた加工素材の提案に力を入れており、防虫加工や抗アレル物質加工、高耐久消臭加工など多彩な機能加工・素材をラインアップする。

 繊維評価技術協議会が「紫外線遮蔽(しゃへい)加工SEKマーク」を新設することを受けて、新タイプの紫外線遮蔽加工の開発にも取り組む。紫外線は波長によっていくつかの種類に分かれるが、特に遮蔽が難しいとされる長波長の紫外線に対しても高い機能を発現させることができるほか、汗など水分でぬれた状態でも機能の維持を実現した。早期に市場投入を目指す。

〈ラインアップの再整備/抗ウイルス機能レーヨンも/ダイワボウレーヨン〉

 ダイワボウレーヨンは、国産レーヨンメーカーの一角として多彩な機能レーヨンを開発・提案してきた。改めて商品ラインアップの再整備に取り組み、特に抗ウイルスなど衛生機能レーヨンの打ち出しを強める。

 新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的流行)で抗ウイルス機能素材への注目が急速に高まった。このため同社ではカルボキシル基練り込みによるpHコントロール機能レーヨン「パラモス」に抗ウイルス加工を施した「パラモスプラス」を打ち出す。

 現在、抗菌・制菌機能レーヨンと合わせて不織布向けを中心に用途開発を進めており、トイレ・水回り品、メディカル、タオルなど生活雑貨への提案を進める。将来的には紡績用にも提案し、アパレル分野での採用も視野に入れる。そのほか、抗アレル物質機能レーヨンにも取り組む。こちらは布団中わた向けなどで提案を進める。

 新型コロナのパンデミックによって包装資材の役割が改めて見直される可能性も出てきた。このため機能紙など湿式不織布向けのショートカットファイバーの機能化のニーズが高まるかもしれない。こうしたニーズに向けた機能レーヨンの開発にも取り組む。

〈注目高まる「フルテクト」/抗アレル物質加工も用意/シキボウ〉

 シキボウは抗菌・制菌や抗ウイルスなど清潔・衛生に焦点を当てた加工素材を多彩にラインアップしてきた。中でも抗ウイルス加工「フルテクト」は新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)を背景に引き合いが急増している。

 フルテクトはインフルエンザウイルスに対する抗ウイルス性があるが、このほど通常のコロナウイルスに対する抗ウイルス性も確認した。新型コロナもコロナの亜種であるため、同社では同様の抗ウイルス性を発揮できると推定している。

 今後、清潔・衛生加工のニーズは一段と高まる可能性がある。このため同社はフルテクトのほか、制菌加工「ノモス」、消臭加工「スーパーアニエール」などを幅広いアイテムに提案する。

 抗アレル物質加工「アレルオフ」も注目されている。現在、日本が中心となって「繊維製品上の花粉由来タンパク質等の測定方法」の国際標準(ISO)化が進められている。測定対象を花粉由来タンパク質「等」とすることでダニの死骸やフンなどに由来するタンパク質など幅広いアレル物質の測定も視野に入れた規格提案となる。こうした動きもアレルオフの訴求の追い風となる。

〈新規開発も相次ぐ/実績豊富な加工も注目〉

 新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)を背景に新たな開発も加速する。日清紡テキスタイルは抗ウイルス加工生地「バリエックス」を開発し、今年から提案を本格化させた。まずはシャツ地での提案を進める。

 一方、豊富な実績を持つ加工にも改めて注目が集まる。クラボウの抗菌・抗ウイルス機能繊維加工技術「クレンゼ」もその一つ。

 ここに来て引き合いが増加しており、今期はこうした需要に応えることが繊維事業の重点戦略の一つとなる。

 そのほか加工剤メーカーも抗菌・抗ウイルスなど衛生に焦点を当てた機能加工剤の開発や提案に力を入れる。“ウィズ・コロナ”“アフター・コロナ”における“ニューノーマル”で、これまで日本がリードしてきた衛生加工の存在感が一段と強まることになりそうだ。