岐路に立つ商社繊維事業 -2019年度決算から①

2020年06月03日(Wed曜日)

全社が前期比減収に

商社の2020年3月期繊維事業決算は、東洋紡STCの全社を除く全てが前期比減収となり、総じて堅調だった19年3月期との差が顕著に表れた。利益も全体として苦戦傾向が鮮明になった。顕在化する衣料品店頭消費不振に昨年秋の消費増税が拍車を掛けた格好だ。一部では新型コロナウイルス感染拡大に伴う納期遅れも影響した。

  減収減益となった最大手の伊藤忠商事は、暖冬と新型コロナの影響によるアパレル関連事業の販売不振を業績悪化の理由に挙げる。原料関連も低迷した。

 全体業績と繊維業績がほぼ同じ規模のヤギは、0・4%の微減収にとどめた。原料、テキスタイルが共に減収となったものの、二次製品がワーク系商材を中心に好調に推移し、全体を底上げした。

 蝶理は4・7%の減収ながら、売上総利益が1・2%、営業利益が16・1%増とそれぞれ伸びた。製品OEM事業で利益改善策が進展したことなどがその理由。

 田村駒は、衣料素材が0・3%減と健闘したものの、同製品が6・6%減、リビング素材が7・6%減、同製品が5・6%減、生活関連資材が3・9%減と苦戦した。三共生興は香港や国内など不採算店舗からの撤退を進めたことで、大幅減収となり、営業利益も赤字転落した。

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 次回から、主要各社の20年3月期を掘り下げる。