岐路に立つ商社繊維事業 -2019年度決算から②

2020年06月04日(Thu曜日)

利益追求の姿勢鮮明に

▼アパレル低迷で減収減益 伊藤忠商事

 伊藤忠商事繊維事業の連結は、収益5374億円(前期比9・5%減)、売上総利益1074億円(9・6%減)、営業利益124億円(50・1%減)、純利益90億円(69・5%減)と減収減益だった。

 暖冬や新型コロナウイルスの影響などでアパレル関連事業の販売が不振に陥った。繊維原料をはじめ全般的な需要が低迷し、減収となった。

 海外債券に対する引当金など将来の懸念材料を低減するための処理を断行したことに加え、前の期に計上した海外アパレル関連事業の売却益の反動もあり、営業利益、純利益が大幅に減少した。

 今期も、新型コロナの影響により、アパレル関連を中心に低調な販売が継続すると見込むが、経費削減策の効果と前期の一過性損失の反動があるとみて増益を計画する。純利益は230億円まで回復する見通し。

▼生産ロス削減で増益 日鉄物産

 日鉄物産の繊維部門の連結決算は、売上高1300億円(前期比13・8%減)、経常利益46億円(6・0%増)で減収増益となった。

 消費増税、記録的暖冬、新型コロナの感染拡大などに加え、子会社だった瀧本の株式売却による連結範囲の変更も響き減収。一方、主力のOEM/ODM事業で継続して取り組む生産ロスの削減策の成果により、増益を計上した。

 単体の売上高は1101億円(9・9%減)で売上総利益は130億円(1・1%増)。内訳を見ると、国内売上高や輸入売上高が低下したのに対し、海外売上高は100億円を超え、前の期から16・1%も増加した。期末の繊維在庫は71億円と4億円近くが減少した。

 今期は、グローバル取引の拡大を推進し、中国向け内販や欧州向け販売を強化する方針。

▼減収も売上 総利益は増加 豊田通商

 豊田通商の繊維部門の連結決算は、売上高1923億円(前期比17%減)、売上総利益176億円(4%増)だった。

 単体では売上高845億円(6%減)、売上総利益17億円(5%減)。内訳は、国内売上高222億円(7%減)、輸入売上高378億円(2%増)、輸出売上高133億円(35%減)、海外売上高113億円(28%増)となった。

 20年3月期の繊維関連事業では、「国際フェアトレード認証」を受けたコットンを使用した被服を名古屋市に納入するという新しい取り組みも始まった。グループ会社の連携により、アパレル事業でサステイナブル(持続可能な)素材の取り扱いを推進してきた成果が表れた。

 今期は、新規顧客、商材、サービスの構築と、日常業務の効率化を重点方針に掲げる。