岐路に立つ商社繊維事業 -2019年度決算から③

2020年06月05日(Fri曜日)

市況悪化で減収基調

▼糸・生地不調、製品堅調が継続 ヤギ

 ヤギの2020年3月期繊維事業連結決算は、売上高が1184億円(前期比0・4%減)、営業利益が23億円(21・9%減)、経常利益が22億円(23・0%減)、純利益が10億円(39・3%減)の微減収減益だった。

 原料、テキスタイルが引き続き苦戦した。綿糸が各産地の稼働が落ち込む中で大きく苦戦し、合繊糸は加工糸・備蓄糸が堅調だったものの生産の遅れで高付加価値糸は苦戦した。テキスタイルは原料との協業開発が進んだものの、生産キャパシティー不足や工賃の値上げ要請などにより利益が圧迫された。

 二次製品は付加価値の高い商材やワーク系商材が好調に推移し、3分野のうち唯一増収を果たした。

 今期の計画数字は未発表。新たに策定した3カ年の中期経営計画を着実に実行していく。

▼国内衣料分野の収益改善 蝶理

 蝶理繊維事業の20年3月期連結決算は、売上高1145億円(前期比4・8%減)、経常利益40億円(8・6%増)と減収増益だった。

 国内の消費が回復せず国内市場全般が低調なため減収。一方、海外素材分野の業績が堅調に推移したことに加え、国内衣料分野の収益性が改善し、増益となった。

 貿易比率は71・4%で前期比1・8%増。繊維事業は機械事業と共に海外売上高を引き上げた。

 今期については、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に影響されるとみる。そうした中で、23年3月期を最終年度とする中期経営計画をスタートさせた。繊維事業は一体化運営強化のため、1本部制に組織を改編。サプライチェーン・マネジメントの拡充やオリジナル商材の提案に力を注ぐ。

▼生産ロス削減で増益 田村駒

 田村駒の20年3月期連結決算は売上高1110億円(前期比4・7%減)、営業利益25億円(18・4%増)、経常利益26億円(14・2%増)、純利益15億円(0・3%増)だった。卸売販売事業と輸入代行ビジネスのマイナスが響き減収だが、生産管理強化でロスを削減したため、増益となった。

 繊維の連結売上高は841億円(5・5%減)。うち国内売上高288億円(前の期並み)、輸入売上高494億円(9・0%減)、輸出売上高22億円(25・4%増)、海外売上高35億円(10・6%減)。

 衣料部門を見ると、売上高は657億円(5・6%減)、うち素材販売は106億円(0・3%減)、製品販売は550億円(6・6%減)だった。

 今期は、無店舗販売を展開する大手SPAやセレクトショップとの関係強化などに取り組む。