岐路に立つ商社繊維事業 -2019年度決算から⑤

2020年06月09日(Tue曜日)

独自商材の堅調目立つ

▼繊維で営業増益 クラレトレーディング

 クラレトレーディングの2019年12月期連結は売上高1309億円(前期比5・7%減)、営業利益42億円(0・2%増)、経常利益43億円(0・9%減)、純利益30億円(1・3%増)となった。樹脂・化学品・化成品が苦戦し減収となったが、繊維で増益を確保し前年並みの営業利益を達成した。

 繊維では、衣料が増収、利益横ばい、資材が減収増益。衣料では、スポーツが好調、ユニフォームが苦戦。原子販売トータルが前年並みだった中、タオルやデニム向けの水溶解性「ミントバール」が好調で50%の増販となった。資材では、生活資材の製品販売が堅調。産業資材も堅調だったが、靴向けの苦戦で「クラリーノ」は伸び悩んだ。

 20年12月期は売上高1350億円、営業・経常利益45億円、純利益30億円の見通し。

▼中東輸出が回復 東洋紡STC

 東洋紡STCの20年3月期単体決算は売上高848億6300万円(前期比0・5%増)、営業利益16億9800万円(3・2%増)、経常利益16億6200万円(5・1%減)となった。

 繊維部門は売上高280億7600万円と1・7%の減収。企業別注が好調だったユニフォーム、市況回復で販売量を反転させた中東向けトーブで増収増益を達成した。一方、スポーツアパレルで製品事業の一部を関係子会社に移管した影響が発生。SPA向けで苦戦を強いられたインナーも減収にとどまった。

 本体との連携で輸出拡大を強化してきた結果、高機能材部門は1・6%増収の567億8700万円。フィルム販売で国内は苦戦したものの、「コスモシャインSRF」が好調を維持し、海外フィルムで大幅増収増益を達成した。

▼全般的に低調 ユニチカトレ―ディング

 ユニチカトレーディングの20年3月期単体決算は、売上高362億円(前期比7%減)、営業利益1億円(85%減)、経常利益1億円(91%減)、純利益5000万円(91%減)となった。

 衣料繊維事業では、バイオマス素材「テラマック」で拡販を達成する一方、スポーツ、レディースなどが苦戦。デニムの輸出も低調だった。好調だったユニフォームも苦戦に転じた。ワーキング用途を中心とするアパレルの生産調整の影響を受けた。農業資材、フィルムの販売も低調だった。

 新型コロナウイルスによる影響を正確に算定できないため、20年度の通期業績予想を未定とした。医療現場に向けたアイソレーションガウンのような「こういうときだからこそ社会に貢献できる取り組みを増やしたい」としている。(おわり)