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特集 アパレル総合20秋冬(3)/アパレル総合20秋冬~企画&トレンド~紳士服編①

2020年06月23日(Tue曜日) 午後2時53分

〈オンワード樫山「ジョセフ・アブード」/機能性+長いシーズン性〉

 オンワード樫山の紳士服「ジョセフ・アブード」は20秋冬に、アウトドアテイストを加えたダブルストレッチアウターを投入する。ストレッチ性のある2枚の生地を張り付けるボンディング生地のコートと、インナーにストレッチダウンのブルゾンを組み合わせた新作コートである。

 外側のコートも内側のブルゾンもそれぞれストレッチ性のあることが特徴。薄い生地をボンディングして作っているため、非常に軽く、汚れや水をはじく機能性も備える。冬に組み合わせて着ると暖かく、それぞれ別に着用すれば、春先や秋口のアウターとして対応。組み合わせ方でより長いシーズン着られるのもポイントとなる。

 同ブランドは綿素材にほぼ全てオーガニックコットンを使用する。「JOEコットン」というネーミングで、オリジナルブレンドのオーガニックコットンも定番品として展開。秋冬では「マウンテン」ラインなどで、非フッ素の環境を配慮した撥水(はっすい)加工商品なども提案していく。テレワーク対応の企画も増やす。

〈三陽商会「ポール・スチュアート」/快適な着心地を強化〉

 三陽商会の紳士服「ポール・スチュアート」の20秋冬は、洗練された上品上質なコンテンポラリークラシックを素材、カラーリング、コーディネートで表現する。同ブランドは19秋冬からリブランディングしている。

 セットアップ中心の「スチュアーツトラベラー」は柄のバリエーションを広げる。ハウンドトゥース(格子柄)のジャージーセットアップは布帛ライクで、快適な着心地。3ウエーアウターも展開する。30~40代が中心だったが、リモートワークもあり50代にも対象を広げていく。

 カジュアルも強化する。奇麗めなカラーのジャケット、ニット、パンツを投入する。単品の完成度を高めた。

 スーツはイーストゲートモデルを中心に、安心感のあるスーツから軽量仕様のモデル、ファッションとして楽しめるスーツも展開する。ウールツイルなど定番も継続提案する。コートは10~11月に展開するが、素材はすでに手当済で短納期対応する。長い期間、着用できることを意識した企画。

〈ジョイックスコーポレーション「ランバン・オン・ブルー」/前面にストリート感〉

 ジョイックスコーポレーションは、紳士服「ランバン・オン・ブルー」20秋冬企画で、ストリート感やオリエンタルテイストを商品に盛り込む。オリエンタルを想起させる図柄をライダースジャケットに載せるなど、大胆なパターンや装飾をアウターに反映させる。

 同シーズンのテーマは「シュプリメ」(昇華)。フレンチシックをベースに、既成概念にとらわれない単品やスタイリングを提案。1970年代調のサイケデリックな図柄や装飾、色使いで企画にアクセントを加えている。アウター、インナーともに図柄のあるアイテムを組み合わせ、パターン・オン・パターンのスタイリングも特徴になった。

 ストリート感を高めたアイテムでは、パッチワーク風に生地を切り替えたシャツアウターやフリース素材のブルゾンを投入する。オーバーサイズ仕様で重ね着にも最適。初秋はナチュラル系とパステル調を合わせたニュアンスカラーを展開し、秋冬シーズン最盛期に向けてブラウンやカーキといった深みのある色彩を並べる。元の製品よりも価値を高めた“アップサイクル”のモチーフを取り入れ、同ブランドのシックなテイストを融合した。

〈YKK/海プラごみから新商品を/持続可能な衣業界を支援〉

 YKKは海洋プラスチックごみを主材料にしたファスナー「ナチュロン オーシャンソースト」を開発し、2020年中に販売を開始する予定である。 これはスリランカの海外線から50キロ以内で回収されたプラスチック廃棄物を主材料にした樹脂製ファスナー。従来と同等の強度、耐久性、機能性を維持する。

 海洋プラスチックごみは、多くの鳥類や亀、魚類などの生態系に影響を及ぼす。それらを海に流入させず、ファスナーにアップサイクリングし、海洋プラスチック問題の解決に貢献する。

 海洋プラスチックの再生材やリサイクル商品のマーケットプレイス「オーシャンワークス」が海洋プラスチックごみを再利用した商品開発を支援しており、YKKはウェブサイトで同商品を公開している。

 YKKはYKK精神「善の巡環」のもと、1994年に「YKK環境宣言」を制定。同年、再生ペットボトルやポリエステル端材を材料にした樹脂ファスナー「ナチュロン」を開発、販売している。昨年には植物由来ファスナー「グリーンライズ」の販売も開始した。

 同社は、サステイナビリティー(持続可能性)を軸にした事業・商品開発体制の構築も推進する。「ファスニング サステナビリティ推進室」を昨年4月に設置。顧客の要望を受けて一元的なファスニング事業としての戦略を立案・実施する。環境関連の商品開発を進めるほか、持続可能な事業体制の構築を目的に自社独自のコンプライアンス基準を設けその維持・強化にも取り組む。

 同社は、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局によるファッション業界での取り組みを定めた「ファッション業界気候行動憲章」に署名している。吉岡麻子ファスニング サステナビリティ推進室長は「目標実現に向けた施策を着実に進めていく」としている。

〈紳士服量販チェーン/ネット販売強化へ新たな仕掛け〉

 紳士服量販チェーンがネット販売強化策を打ち出している。新型コロナウイルスの感染拡大で実店舗での販売が落ち込んだ一方で、オンラインショップは比較的良好な動きを見せているからだ。場所を含めた、買い方が変化を見せる中、多様な施策を仕掛けて販売拡大につなげる。

 青山商事は、「ザ・スーツカンパニー&ユニバーサルランゲージ」のLINE公式アカウントを開設し、商品情報のリマインド通知サービスを始めた。オンラインショップでの購入を検討しているユーザーに対し、閲覧した商品やカートに入れたままになっている商品の情報をLINEメッセージで改めて伝え、商品購入を促す。

 AOKIは、店舗の販売スタッフによるオンライン上でのスタイリング提案を可能にするサービスを開始した。消費者は直接店舗に足を運ぶことなく、コーディネート提案などが受けられる。公式オンラインショップへのリンクが貼付されているため、そのまま商品購入ができる。