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宇仁繊維/コロナ後見据え提案加速/東西で展示会開催

2020年06月25日(Thu曜日) 午後1時15分

 宇仁繊維は大阪本社(大阪市中央区)で21春夏向け展示会(商談会)を開いている。新型コロナウイルス感染拡大のリスクは残るが、宇仁龍一社長はその意図を、「社員教育として貴重な場であり、仕入れ先への発注責任を果たすためにも顧客との商談を早期に進めたかった」と説明。原則事前アポイント制とし、手指消毒、検温、マスク着用を徹底しながら開催に踏み切った。

 同社は近年、マーケットインの企画開発を強化しており、展示会をその情報収集の場の一つと位置付ける。新型コロナ禍で4月展の開催は見送ったものの、6月展の開催に踏み切ったのはこの理由による。アポイント制にしているため来場者は例年に比べると少ないが、顧客からの情報収集に努め、次の企画開発に生かす。

 同社はこれまで新人教育の場としても展示会を活用してきた。新入社員に対して基本的に先輩からの顧客引き継ぎを行わない。「顧客は自分で探し出すもの」という考えに基づくもので、展示会に新入社員を大勢配置し、そこで新規顧客をつかむ。4月の個展や5月の「プレミアム・テキスタイル・ジャパン」展が中止になったことで新卒、中途計35人の新入社員の教育の場が失われた。この遅れを取り戻すことも、コロナ禍が残る中で6月展を開催した理由の一つだ。

 宇仁社長は仕入れ先への責任も口にする。「当社のグループ、取引先は大丈夫だと思う」としつつ、一方でコロナ倒産や廃業が産地で相次ぐ見通しもある。産地への発注を継続するためにも展示会提案が必要だと判断した。

〈マスク関連商材が好評 服地はエレガント意識〉

 宇仁繊維では現在、マスク関連商材が売れている。

 大阪展では子会社の宇仁繊維ファッションが自社製品ブランド「小紋工房」の中で企画販売する「高島ちぢみ」製の布マスクを展示し、好評を得た。通気性やシボ(生地表面の凹凸)による清涼感、肌触りが人気となり、既に土産物ショップ、雑貨店、呉服店などへの卸販売が順調に推移しているが、今展での披露を機に、さらなる拡販が実現しそうだ。

 マスクの単価は平均850円。現状は数種類の高島ちぢみを使用しているが、別注で他の生地に変えることも可能。マスク向けの各種生地販売にも力を入れており、「布マスク需要は世界規模で少なくともしばらくは続く」と見て、対応生地種を広げながら拡販を狙う考え。

 展示会では他に、服地トレンドがエレガントに振れていることを意識して合繊薄地のバリエーションや装飾性の高いジャカードなどを打ち出した。サステイナビリティー(持続可能性)関連やユニフォーム向け、天然繊維使い、各種機能加工なども来場者の関心を引いた。

 大阪展は26日まで。引き続き東京展を、7月6~10の5日間、東京都港区の東京店で開く。