明日へ これが我が社の生きる道 染色加工編(71)

2020年06月26日(Fri曜日)

反物であれば仕上げる

 小野木繊維加工(京都市)は、風合い、機能、表情変化など生地の高付加価値化のほか、仕上げ工程全般を担う。

 同社の祖業は和装生地加工の“湯のし”で、創業は1843年(天保14年)と約170年の歴史を持つ。第2次世界大戦後の1950年代から洋装向けにも取り組み、現在は洋装向けの生地加工のみとなり、京都市南区の吉祥院工場が事業の中心となっている。

 同社の受託加工は、京都産地で織布されるプリント生地の仕上げ加工が多い。近年はインターネットでの情報発信を強化したことなどが奏功し、東日本の産地からの受注や海外製の生地の修正などの受託も増やしている。

 同社の加工は柔らかさやボリューム感など風合い向上のほか、ストレッチ性の付与や接触冷感などの機能加工まで幅広く対応する。

 小野木泰弘社長(48)は、「製品事業など、自社で新事業を打ち出すことはやらないし、できない」と語る一方で、「最終的に仕上げ加工はどんな生地にも必要になる。合繊系、天然系問わず、布帛でも編み地でも反物であれば仕上げる自信はある。受託加工の枠内で事業を継続する道を探る」方針を示す。

 付加価値を高める加工や問題解決型の加工の開発に重点的に取り組んでおり、最近の新加工ではウールや麻使いなどの生地のチクチクとした肌触りを軽減する加工を打ち出している。

 薬剤によって繊維組織の滑りを良くし、さらにカムフィット機で生地を“揉む”ことと合わせて実現している。小野木社長は、「加工薬剤と保有する機器の組み合わせで、多くの付加価値を打ち出せる」と話し、今後も独自性の高い加工の開発を継続すると言う。

 同社が加盟する、京都プリント染色協同組合が持つ産地ブランド“京プリント”も「製品の付加価値として、活用してほしい」と話す。

(毎週金曜日に掲載)

社名:小野木繊維加工株式会社

本社:京都市中京区室町通押小路下ル

代表者:小野木泰弘

主要設備:連続水洗機2ライン、スカッチャー3台、遠心脱水機2台、テンター乾燥機3台、ルシオール乾燥機1台、カムフィット機1台、各種検反機など

加工数量:707.5万㍍(2019年)

従業員数:53人