ベトナムの最新状況/大ロット工場で稼働率低下/秋ごろから商況回復か

2020年06月30日(Tue曜日) 午後1時4分

 新型コロナウイルス感染拡大によって生産地のリスク分散意識が強まる中、中国からの代替地としてベトナムがさらに存在感を高めている。ベトナム繊維産業の最新状況を追う。

 複数の日系繊維商社によれば、ベトナムの社会生活はほぼ平時に戻っている。国内出張や物品流通の規制は解かれた。政府による徹底した規制が功を奏し、市中感染は約2カ月発生していない。ただ、外国人入国制限は依然解かれておらず、観光客をメインにするホテルや土産物ショップは再開できていないケースもあるという。

 生地や資材、縫製の各工場も基本的に通常稼働している。ただ、その稼働率は高くない。三井物産アイ・ファッションによると、「新型コロナの影響でオーダーキャンセルや納期延期などが見られ、例年と比べて生産キャパシティーの空き期間が長い」縫製工場が多い。マスク生産でラインを埋めて当面の資金不足をしのいでいる工場もあるという。

 ヤギベトナムも「縫製、生地工場ともにオーダーが減っているもよう」と証言。特に欧米から大ロットを受けていた工場は稼働が厳しく、中には休業を余儀なくされる工場もあるという。副資材系も同様の傾向にあり、従来の週6日稼働から4日稼働に減らす工場などが見られるようだ。

 一方、小ロット型やQR型の工場の稼働はそれほど悪くない。ヤギベトナムも、「QR、小口対応の機能を持った協力工場のおかげで生産、納期、品質面で(新型コロナの)大きな影響は受けていない」と話す。

 副資材商社の清原ベトナムは今後について、「6月から9月は厳しい状況が続くが、10月以降は前年並みに戻りそう」と見通し、新規取引先を加えて事業拡大を目指す考え。

 三井物産アイファッションは、「チャイナ・プラスワンとしてのベトナムはさらに重要な拠点になる」とし、縫製工場との取り組み深化を図るとともに、ベトナム製生地の取り扱い拡大や欧州市場の開拓で新型コロナ禍からの反転を期す。ヤギベトナムも、「備蓄用生地の生産はしばらく抑える」としつつも、ホーチミン、ハノイの両拠点を使い分けた生地から製品までの一貫提案などを進めて、業績の再拡大を狙う。