タイの日系繊維企業/稼働率は80%程度回復/ローカル市場は壊滅的とも

2020年07月02日(Thu曜日) 午後1時4分

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のために行動制限などを実施していたタイも6月に入って徐々に規制が緩和されてきた。6月15日からは夜間外出禁止措置が解除されたほか、商業施設などの営業も再開されている。こうした中、日系繊維企業の工場稼働率も平均して80%程度まで回復した。ただ、経済への打撃は依然大きく、ローカル市場などは壊滅的との声も上がる。

 東レは合繊糸・わた製造のタイ・トーレ・シンセティクス、紡織加工のトーレ・テキスタイル〈タイランド〉ともに通常稼働となった。帝人もポリエステル長・短繊維製造のテイジン・ポリエステル〈タイランド〉とテイジン〈タイランド〉、織布・染色のタイ・ナムシリ・インターテックス、タイヤコード製造のテイジンFRAタイヤコード、伝動ベルト・ホース用コード製造のテイジン・コード〈タイランド〉、アラミド繊維・製品製造のテイジン・コーポレーション〈タイランド〉いずれも特段の制限なく稼働している。

 旭化成は不織布製造の旭化成スパンボンド〈タイ〉がフル稼働。スパンデックス製造のタイ旭化成スパンデックスは需要見合いで減産となっているが、カバーリング糸など製造の旭化成アドバンスタイランドは稼働率80%まで回復した。クラボウは紡織のタイ・クラボウ、染色加工のタイ・テキスタイル・デベロップメント・アンド・フィニッシングともに60%の稼働率となっている。

 世界経済への打撃の影響で需要が減退したことによる若干の減産や稼働率低下はあるものの各社とも徐々に操業は正常化しつつある。東海染工の染色子会社、タイ東海は85~90%の稼働率となっているが、特に欧州向けプリント・無地染めに勢いがある。インドのロックダウン(都市封鎖)の影響や需要家の中国離れが背景にあると見る。ただ、「ローカル市場は壊滅的。現地の市場に特化していたら今ごろは工場閉鎖だった」との声が上がる。

 各社とも従業員の検温、マスク着用、指先消毒、一部在宅勤務、ソーシャルディスタンスの確保など感染予防策を実施しながら操業正常化に向けた動きが本格化してきた。