インドネシアの日系繊維企業/規制下での操業続く/内需回復の道のり険しく

2020年07月03日(Fri曜日) 午後1時3分

 インドネシアの日系繊維メーカーの工場では一定の規制下での操業が続いており、稼働率は50~80%といった企業が多く、フル稼働には至っていない。ジャカルタを中心とした現地の生地問屋や小売業は6月に営業を再開したが店舗に番号を振って、偶数と奇数で営業日を分けるといった制限があり、内需が回復するまでの道のりは険しそうだ。

 同国では4月に新型コロナウイルス対策として始まった「大規模な社会的制限(PSBB)」が6月で終わる州もあれば、延長を決める州もあり、企業への規制の度合いは自治体ごとに異なる。

 合繊繊維を主体としたわた、糸、生地を製造する東レインドネシアグループはジャカルタ、バンテン州、西ジャワ州、東ジャワ州に工場を展開する。州によってPSBBの段階的緩和、延長、終了、PSBB域外など状況が異なるが「繊維関係各社は稼働中」としている。「各地のルールに応じた対策やマスク着用、社会的な距離の確保など予防策を講じている」と説明する。

 東洋紡グループはインドネシア事業を統括するTID、編み立て・染色加工のTMI、縫製のSTGの3拠点があり、いずれもPSBB発令中の州にある。TIDは事務所の営業ができない状況が続く。TMIは、出社人員を半分にして操業中、STGは通常通り操業しているという。いずれの拠点も日本人スタッフは一時帰国中で、現地の従業員のみで操業している。

 東海染工グループの染色加工場、TTIのある西ジャワ州では6月26日にPSBBが解除された。しかし、稼働状況は50%程度と落ち込んでいる。「規制緩和でモールや市場が6月15日から開店が認められたが、制限付きの営業で受注は伸びていない」と指摘する。

 ユニチカグループの紡織加工会社、ユニテックスも西ジャワ州にある。「新型コロナの影響が全くなかった1、2月と比べて3~5月の稼働率は約80%。マスク着用、検温、手洗い、出社人員の半減など規制が緩和される前の措置を続けている」とする。

 シキボウの紡織加工場、メルテックスはPSBBの発令されていないスラバヤにあるが、稼働率は昨年比50%に落ち込んでいる。織布・加工部門は前年並みの稼働率を維持。入場時の検温、手洗いや消毒の徹底といった従来の対策を継続している。

 クラボウの紡織工場、クマテックスは紡績が期初計画の70%の稼働、織布工程は期初計画通りという。工場のあるバンテン州ではPSBBが7月12日まで延長されており、行動制限への対応、感染予防対策を続けている。一方、本社のあるジャカルタは6月の規制緩和により従業員の半分が出社可能になった。

 大和紡績グループは中部ジャワ州、西ジャワ州に5拠点を展開する。「継続されている行動制限への対応と現在の予防対策を徹底している」と答える。