コロナ禍の産地 7~9月を読む③

2020年07月08日(Wed曜日)

繁忙期のはずが静けさ際立つ  尾州

尾州産地は総じて厳しい状況が続いている。新型コロナウイルスや暖冬などの影響で4~6月の受注は前年を大きく下回っており、7~9月も不透明な見通し。本来なら今秋冬向けの生産で多忙となる時期に入るが尾州では静けさが際立つ。

 4~6月は新型コロナに加えて、昨年の暖冬や消費増税の影響を受けて尾州繊維企業の受注は低調に推移した。ある大手染工場は4月はそれほど影響がなかったものの、5、6月は落ち込んでおり、「受注量は右肩下がりのような状態だ」と語る。

 暖冬の影響も大きく、ある婦人服地製造卸は前期業績が売上高、利益ともに前年比2桁%減だった。そこに新型コロナが加わったため、さまざまな取り組みや新たな試みはストップ。社長は「衣料品は不要不急の最たるものと思われている」と嘆く。

 別の婦人服地製造も今期の売上高は前期比3割ダウンと予測する。4~6月の受注は月を追うごとに悪化しており、7月以降は見えない。男性社長は「秋冬向け生産の最盛期であるこの時期にこれだけ落ち込んでいるのは尾州にとってはかなりの衝撃だ」と述べる。

 尾州の組合関係者は「今秋冬向けの受注は後ろにずれ込んでいるので、今後ある程度の発注はあるのでは」と予測する。ただ、暖冬の影響で昨年の在庫を積み残したアパレル企業が多い中、トータルでの受注量減は避けられそうにない。さらに、新型コロナ禍によって来春夏向けの発注が極端に減ることも危惧する。