コロナ禍の産地 7~9月を読む⑤

2020年07月10日(Fri曜日)

前向きな姿勢崩れず 桐生

群馬県桐生産地は“目立った動きがない”というのが実情だ。新型コロナウイルス感染拡大の中、3、4月は受注残があって織機や編み機は稼働していたが、5月以降は生産が落ち込んだ。21春夏に向けて試織の依頼が一部の織物企業に入り始めているが、先行きの読めない状況が続く。

 「昨年10月の消費増税後からおかしい」――桐生市内の織物企業は声をそろえる。中には前年と比較して20春物の生産が半減した企業もあった。そこに新型コロナ禍が追い打ちを掛け、「バブル経済の崩壊やリーマン・ショックの頃よりも厳しい状況」に直面している。

 服地、インテリア分野ともに厳しさは変わらない。産地内の糸商に話を聞くと「これまで比較的堅調に推移していたラッセルのレースやカーテン用生地も生産量が減り、5月以降は動かなくなった」と言う。産地の中でも特に厳しいのが和装分野で、販売会の中止などが響いた。

 服地では21春夏向けの試作が始まっている織物企業があるが、例年と比べて依頼は少ない。「8月以降にどれだけ入ってくるかになるが、現時点では見通しが立たない」(織物企業)と話す。

 ただ各社は前を向いており、10月には東京・原宿で「桐生テキスタイルコレクション」を開く予定。産地に人を呼び込もうとする個社の取り組みも出てきた。和装分野も複数の企業が販売会を復活するなど、積極的な姿勢を取り戻している。