コロナ禍の産地 7~9月を読む⑥

2020年07月14日(Tue曜日)

自販への動き加速か  遠州

遠州産地は新型コロナウイルスの影響で7~9月の生産は不透明な状況だ。綿織物を主力とする遠州ではこの時期は端境期だが、店舗の休業で衣料品の販売が振るわず受注が減少。厳しい状況を打開するため自販に乗り出す受託製造の織布工場が出てくる可能性もありそうだ。

 組合の関係者によると、特に受託製造の織布工場が厳しい状況を強いられている。新型コロナで春夏物衣料が動かなかったことに加え暖冬の影響を受け、大手アパレルからの発注がないからだ。サステイナビリティーの流れで今までよりも製品を絞り込むという動きも関係している。

 綿織物だけでなく麻織物が低調なことも厳しさを如実に表している。ここ数年はトレンドとして麻を使った衣料品の人気が続いており、遠州でも麻織物を生産する企業は堅調だった。ただ、新型コロナによる受注減に加えて、中国から麻の糸が入らなかったことで生産が滞った。

 そうした状況にある中で受託製造の企業が自販にかじを切る可能性も出てきた。組合関係者は「待っているだけでは仕事が来ないので、若手の受託製造の企業の中には自社で顧客を捕まえようという会社が出てきてもおかしくない」と指摘する。

 遠州で自販を手掛ける織布工場は中小アパレルやデザイナーズブラドと連携し計画生産する企業が少なくない。販路開拓ができれば工場を安定的に稼働することができる。新型コロナ禍で危機感を募らせた企業は多く、自販への動きは今後ますます加速するかもしれない。