コロナ禍の産地 7~9月を読む⑧

2020年07月16日(Thu曜日)

停滞感、色濃く    今治・泉州タオル

愛媛県今治市を中心とする今治、大阪府泉佐野市を中心とする泉州の両タオル産地ともに生産減が続いている。

 新型コロナウイルスの影響はタオルの販路全般におよび、特に国産の中~高価格帯タオルへの影響が大きいようだ。

 今治・泉州産地ともにタオルの生産量を示す指標が、4月以降、20%から半減程度まで大きく下がった。今治産地では、「産地内の実稼働率は3割ほどではないか」との声が聞かれるように、実際の景況感も良くない。

 両産地とも政府や自治体が設けた各種の支援制度を活用しながら、操業時間の調整や備蓄ができる定番品生産などで局面が変わるのを待っている状態だ。

 大阪タオル工業組合は6月末開催予定だったタオル即売会「第22回タオルバザール」の開催を中止し、今治タオル工業組合も9月のタオルソムリエ試験の中止を発表するなど、恒例行事を行えない状況も続く。

 6月に入ってからは、商談のための往来や荷動きが少しずつ再開しているとの声が聞かれ、今治産地では、タオル製造業が独自に行う販売会が開かれるなど、部分的に正常化への兆しが出ていた感もあった。しかし、7月以降、大都市圏を中心に感染者数が再度、増加傾向を示したことで、警戒感が高まり、先行きは不透明なままだ。

 両産地ともに「事態は長期化する」との見方が大部分を占め、インターネット通販など比較的打撃が少ない分野へリソースを傾けることで、復活への道筋を探っている途上にある。