コロナ禍の産地 7~9月を読む⑨

2020年07月17日(Fri曜日)

稼働は通常の半分に    北陸産地

北陸産地も新型コロナウイルス禍の影響を大きく受けている。織布企業や染工場の稼働は4月を大きな落ち込みなく乗り切ったものの、5月以降は落ち込み幅が大きくなり、7~9月はさらに厳しくなるとみられる。

 4月はまだ落ち込みが軽微だった。各県の統計によると4月の織物生産は石川県が前年比12・9%減、福井県が0・9%減、富山県が3・7%増と前年比増の県もあった。染色加工量では福井県が織物加工で前年比8・6%減、ニット加工12・8%減、石川県が3・7%増。昨年の記録的な暖冬の影響はあったものの、一部で3月の後ろ倒し分もあり、新型コロナ禍の影響はまだ小さかった。

 しかし、5月以降は急激に状況が悪化した。4、5月の緊急事態宣言による経済活動の停滞は衣料用や自動車用など各用途の生産に影響した。衣料用はアウター、インナーとも低調で、トレンドの影響を受ける裏地なども厳しい。日本だけでなく欧米市場の低迷も大きく、スポーツやアウトドアなど産地が強かった分野も落ち込み、昨年から回復傾向にあった中東向けなども失速している。

 北陸はアパレル用から資材用まで幅広く生産されるため一概に捉えることはできないが、総じていうと織機や染色機の稼働率は6月が通常の70%、7~9月が50~60%に落ち込むとみられている。資材など堅調な用途はあるが、衣料用が特に厳しく、資材でも自動車は落ち込むなど分野によって状況に差がある。足元では週休3~4日にしたり、一部工場を休止して調整する企業も多い。

合繊メーカーや産元商社に現時点での見通しを聞くと、北陸産地への発注は7~9月が底になり、10~12月も大きく回復せず横ばいで、回復は早くとも1~3月となる可能性がある。特に衣料は今春夏の市場が厳しかったため、回復は21秋冬向けからになるとの見方が強い。現在の状況はリーマンショック時を越える過去最大の厳しさ。ここに来ての感染拡大第2波への危機感も重なり、「先が読めない」との声も多い。(おわり)