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特集 今治タオル産地(3)/染色・素材編/深まる差別化提案を支える

2020年07月17日(Fri曜日) 午後4時58分

〈西染工/自社独自製品を充実〉

 今治産地のタオル生産の減少に伴い、染色や撚糸の加工量も大きく減少している。しかし、コロナ禍以降の新常態の中で加速するとみられる付加価値の高いモノ作りは、素材段階からの差別化、風合い・機能加工の存在なくしてはあり得ない。加工、素材の動向をまとめた。

 西染工は2019年に織機を本格的に導入し、織布、加工、縫製仕上げ、直営店までの製販体制を構築している。製販ともに規模を追求するのではなく、付加価値の高い差別化商品の開発と販売を目指す。

 染色加工事業はタオルの生産減を反映して加工量は大きく減っている。空いた時間に、作業従事者に対し、織布技術を含めた研修を進めており、自社、さらに産地全体のモノ作り能力の底上げを目指す。

 独自製品開発では、染色加工のノウハウを生かした製品展開を重視し、スポーツやレジャー用途で販売しているプラチナの特性を用いた防臭加工を介護用途に幅出しする。

 山本敏明社長は、「客観的に見た『価値の高いもの』を作ることが重要と見ている」と話す。

 現在、薬剤メーカーと連携しながら、オーガニック繊維の国際基準GOTS認証の取得を進めている。認証基準に適合したインクを用いたインクジェット捺染機の導入も予定している。

〈オーガニック綿使いを投入/シキボウ〉

 シキボウはタオル用原糸としてオーガニックコットンを使った「クイックドライコットンエコ」を投入する。タオル分野でも高まるサステイナビリティーへの要求に応える。

 クイックドライコットンエコは、鞘に綿、芯にポリエステル短繊維を配置した2層構造紡績糸「クイックドライコットン」の綿をトルコ産オーガニックコットン、ポリエステルを再生ポリエステルにしたタイプ。2層構造糸による吸汗速乾性や鞘部分に綿を配置することによる肌触りに加えて、サステイナビリティーも重視した糸となる。

 タオル用途ではサステイナビリティーに加えて機能糸への注目も急速に高まった。特に新型コロナウイルス禍を契機に衛生加工への引き合いが急増した。このため制菌加工「ノモス」を原糸に施した「ノモスヤーン」もタオル用途に投入する。

 このほか、「コットンUSA」認証の米綿に未利用綿(落ち綿)を混綿した原料を使用した糸の開発も進む。引き続きタオルを重点提案に位置付け、ニーズが高まるサステイナビリティー素材や衛生加工を充実させる。