「インターテキスタイル深セン20」レビュー(後)/ネットシフトでニーズに変化

2020年07月22日(Wed曜日) 午後1時29分

 新型コロナウイルス禍後、深センでもネットシフトが顕著になっている。実店舗型ブランドが動画を使った“直播(ライブコマース)”などのネット通販に続々と新規参入した。深セン歌力思服飾は2019年に5%だったネット通販の売り上げ比率を、今年は一気に30%に増やす計画を持つ。贏家服飾グループ傘下の高級レディース「ナアールス」ディレクターの徐志東氏は、「直播は消費者に受け入れられ、一つの販売チャネルとして定着した。今後も力を入れていく」と話す。

 ネット通販向けの製品はQRが求められるため、備蓄品による小ロット・短納期対応を武器にする日系生地商にとっては追い風と言える。ある日系生地商の深セン拠点関係者は、「新型コロナの感染が収まった3月からこれまで、ネット通販関係を中心に約30社を新規開拓した」と明かす。

 一方、深センのブランドはこれまで以上に製品買いのニーズを高めている。そのため、ブランドに製品を収めるOEM・ODM企業の開拓も重要になっている。

 こうした中、今回展で日系出展者6社は、小ロット・短納期対応のサービスと、合繊織物などの差別化を図った生地をアピールした。スタイレムは、深センで合繊のトレンドが続く中、高級感のある光沢などを特徴とする合繊混織物を前面に打ち出した。サンウェルは、トリアセテート繊維使いの日本製生地の中国でのストック販売を紹介した。

 瀧定名古屋は、堅調な深センでの販売に弾みを付けようと、豊富な機能性を持った、中国でストックする秋冬向け生地をアピール。双日ファッションは、ネット通販顧客の開拓を狙い、短納期・小ロットで納める日中製生地を訴求。会員制交流サイト(SNS)の「微信(ウィーチャット)」を活用した発注システムの利便性の高さも紹介した。

 増井の代理商は、女性の通勤着向けの合繊織物や毛織物を提案した。SHINDOは日中の自社工場で生産する細巾リボン・テープを出展し、在庫商品を持ちQRに対応していることを訴求した。

(上海支局、おわり)