ごえんぼう

2020年07月27日(Mon曜日)

 本紙70周年企画に登場いただいた元伊藤忠商事副会長の加藤誠さんは若い頃、米国でスポーツや紳士服メーカーを相手にウールや合繊織物を販売しながらも、彼らの「ブランド」というものに目がゆかなかった、と残念がる▼総合商社でブランドビジネスにいち早く取り組んだのは三井物産だった。後に副社長になる高橋正治さんはミラノに赴任したが、原料や織物の販売先には必ず伊藤忠が先乗りしていて「多勢に無勢。歯が立たなかった」と笑いながら話してくれたことがある▼しかし高橋さんは「売れないなら彼らのものを買おう」とニット糸や織物を日本のメーカーにつないだ。それがアパレルになり、さらにブランドビジネスに広がる。「目の付けどころ」が商いの盛衰を決める▼「コロナ後」が話題になる。世界がどういうものになるのか想像もつかない。最前線で何が変わろうとしているのか。目を見開いて臨むほかない。