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クローズアップ/東レ 不織布・人工皮革事業部門長 生産本部(不織布技術・生産)担当 西村 誠 氏/新中計でも成長持続

2020年07月28日(Tue曜日) 午後1時17分

 東レは6月23日付の組織再編で不織布、人工皮革の両事業を合体し新たに不織布・人工皮革事業部門を発足させた。伸び盛りの両事業をどう統括していくのか。初代部門長の西村誠氏に中期的な事業戦略を聞いた。

 ――4~6月期の状況は。

 新型コロナウイルス禍の影響で不織布ではマスク関連事業が海外を含め好調です。ウルトラスエードは主力の自動車分野があの状況ですから低調に推移しています。特に、ロックダウン(都市封鎖)で工場が止まったイタリア・アルカンターラが深刻でした。

  ――前中計では不織布事業で1千億円構想を進めていた。

 残念ながら届きませんでした。中国での出生率低迷の影響が大きく、紙おむつ向けが伸び悩んだことが要因です。2020年度で不織布事業トータルを1千億円台に乗せます。

  ――4月から新しい中期経営課題が始まった。

 繊維における事業拡大を上回るペースで部門の業績を伸ばします。出生率の低下で紙おむつに以前ほどの市場拡大は期待できませんが、まだまだ伸ばせます。ロックダウンの影響でインドでの立ち上げが遅れていましたが今年度中には量産を開始します。中国・仏山は順調で、既にフル稼動に入っています。

  ――マスクやガウンは。

 当社は使い切りの防護服「リブモア」を展開しており現在、新型コロナ対策用の原反を開発中です。原反で売るのか、製品販売をするのか近々、結論を出します。

  ――ウルトラスエードの見通しは。

 中国で自動車生産が回復しており今後どこまで伸ばせるか、です。米国も動き始めましたが、欧州連合(EU)は当分、期待できないと見ています。半銀調「ウルトラスエード・ヌー」の新タイプ開発を急いでおり、まもなく発売します。こちらはアニリンレザー調の表面感が特徴です。最近はビーガン志向の高まりを背景に人工皮革を求める声が強くなっています。20年度は少なくとも前年並みの業績を確保します。

  ――スパンボンド「アクスター」は。

 フィルター向けの輸出が中心のため、いずれ新型コロナの影響が出てくるのかも知れません。現中計の期間中に増産に取り掛かれるよう、準備を進めています。

  ――PPS繊維「トルコン」の状況は。

 中国でバグフィルター需要が着実に増えています。中国勢とのシェアの食い合いになっていますが、当社は細繊度糸の高性能を打ち出し拡販に力を入れています。