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クローズアップ/東レ テキスタイル事業部門長 鳥越 和峰 氏/高付加価値品をグローバルに

2020年07月30日(Thu曜日) 午後1時9分

 4月から新しい中期経営課題をスタートさせた東レ。新型コロナウイルス禍で難しい対応を迫られ、テキスタイル事業でも、かつての花形だった時代とは異なるかじ取りが求められる。中計を通じどういう方向に導こうとしているのか、鳥越部門長に聞いた。

  ――2019年度の業績は。

 暖冬の影響で当初の目標には届きませんでしたが、前年実績をクリアできました。特に、ユニフォームが大幅な超過達成となり、厳しい中、健闘できたと思います。

  ――4~6月期は。

 新型コロナ禍の影響が本格的に出始めたのは当部門の場合、5月に入ってからです。4~6月期は、それでも頑張れました。婦人・紳士やユニフォームは健闘し前年実績を上回りましたが、スポーツや裏地がしんどかった。この間、お客さんと全くコンタクトできなかった影響が7~9月期に出てきていますが、個人的にはここが底だと思います。新型コロナ禍が短期で終息することはまずない。長引くことを前提にさまざまな対策を講じています。

  ――4月から新しい中期経営課題に着手した。

 海外拠点との連携を通じ高付加価値品をグローバルに拡販する、産地の開発力をしっかり活用し海外でのモノ作りに生かす、部門内シナジーの極大化を図る、「ナノデザイン」を駆使した絶え間のない商品開発。この四つに力を入れていきます。

  ――産地の技術を海外拠点に委嘱する。

 お客さんからは日本のモノ作りが評価されていますが、オーダーが集中した時の納期対応に懸念を示す声が強い。今後、ますます縫製工場のあるロケーションからのデリバリーを求める要望が強まってくるでしょう。これらに応えるために、海外拠点のレベルを産地の技術の導入でレベルアップさせ、外↓外の商流をしっかり構築していくことが重要になってきます。産地の事業者には技術指導料のような形で利益を還元できる仕組みを作っていこうと考えています。

  ――部門内のシナジーとは。

 これまで傘やテント向けに売っていた「サマーシールド」をユニフォーム部隊が電動ファン付ウエアの表地に転用し成果を上げています。スポーツ、婦人、ユニフォームの市場がかなりリンクしてきており、それぞれの素材を融通させることで新しい商機が生まれそうです。

  ――「&+(アンドプラス)」をどうする。

 サステイナビリティーは中長期に避けて通れないテーマ。多くのお客さんと商談を進めている最中で、これは間違いなく増えてきます。いずれはナノデザインを導入し、高品質な商品開発へと発展させていきます。