メーカー別 繊維ニュース

特集 全国テキスタイル産地Ⅱ(1)/生地商社編/コロナ禍でも前を向いて

2020年07月31日(Fri曜日) 午後2時22分

〈サンウェル/社長 今泉 治朗 氏/備蓄機能で役に立つ〉

 新型コロナウイルス感染拡大で大変な情勢です。不透明感も強まっています。ただ、当社と産地企業、染工場との強固な取り組みは今後も変わりません。

 サステイナビリティーの流れの中で、作りすぎは悪になっています。当社のような備蓄型生地商社はこの時流に乗っているはず。必要な時に必要な量を供給するという機能が過剰生産の回避、在庫抑制のお役に立てると考えています。

 当社は海外でも生地を作っていますが、国産比率が圧倒的に高い。新型コロナ禍では特に海外で新しいものを作ることは難しい。前(店頭)が動いていない現状、余剰な発注はできないものの、こんな時こそ国内の仕入れ先としっかりと取り組んでいきたい。

 商売の幅を広げるのも今は危険。当社で言えばコア商品である綿織物無地、綿織物先染め、合繊織物という3本柱に集中すべき。得意分野に特化するという考えは、産地や染工場にも当てはまるのではないでしょうか。

〈宇仁繊維/社長 宇仁 龍一 氏/コロナ後の反転へPJ推進〉

 新型コロナウイルス禍で皆が前向きになれず、意欲を失っています。特に産地企業や染工場は既に受注を減らしているところも多く、先も読めず、資金力の弱いところが多いので心配です。

 当社から産地や染工場への発注量も減っています。売り上げがほぼ半減という状況では発注量が減っても仕方ない。しかし、このままでいいとは思っていません。

 これまでのトレンドのサイクルから判断すると、大きな出来事の後には必ず大きなトレンド変化があります。ここで消費の反動に期待したい。重要なことは、その際に消費を喚起するような開発ができているかどうかです。

 これまで以上に独自性の発揮や自販への挑戦、コスト削減などが求められます。

 産地や染工場には一定の数量も必要。当社としては各種プロジェクトを推進して拡販を成功させ、発注量を拡大させたい。これからも日本のモノ作りを支えていければと考えています。

〈コスモテキスタイル/社長 斑目 寿明 氏/協働関係強化で生き残りを〉

 綿織物を主体とした生地販売を主力にする当社では、生地の風合いや色合いが生命線。国内染工場とは一心同体の関係です。今は落ち着きましたが、その意味で一昨年末に主力工場であった日出染業さんが廃業されたのは大きな痛手でした。

 染色加工の海外シフトも進んでいますが、日本には日本にしかできない高度な加工技術があり、国内だけでなく欧米諸国からも高く評価されています。

 国内産地の織布工場や染工場は機械の老朽化、従業員の高齢化などさまざまな問題を抱えています。生地商社、織布工場、染工場が一体となって情報共有、協働関係を強めていく必要があります。

 当社も所属する関西ファッション連合(KanFA)では福井産地との連携プロジェクトを進めており、今後も対象を広げる予定です。一社ではできないことも組合ならできることはあります。こうした取り組みをもっと積極的に行っていくべきだと考えます。

〈双日ファッション/社長 由本 宏二 氏/自社の社会的役割を追求〉

 日本のモノ作りの特徴は、真面目に一つ一つの問題に取り組む姿勢にあると思っています。過去、リーマン・ショック、東日本大震災、原燃料の大幅高騰などがありましたが、その都度苦しみながらも乗り越えてきました。日頃の地道な努力がこうした緊急事態の際に力になります。

 日本の繊維産業は今、川上、川中、川下問わず全て厳しい状況です。それぞれができる限りのことをやっていくしかない。自社の役割、価値を見つめ、社会に貢献できることを追求する。変化に対応しながらも軸はぶらさない。こうした姿勢が求められていると感じます。

 緊急事態宣言が解除され、少しずつ経済活動が進み始めました。この流れを止めないことが当社の役割。産地や染工場への発注を大量にできる時勢ではありませんが、皆それぞれがそれぞれの段階で大義のために少しずつでも我慢をする、無理をする、そして支え合うべきではないかと考えています。

〈コッカ/社長 岡田 洋幸 氏/マスク特需で発注増〉

 国内染工場を守らなければなりません。なぜなら、当社にとって、日本のモノ作りにとって必要不可欠な存在だからです。

 海外のプリントや加工と比べて日本のそれは間違いなく技術力が高い。当社にできることは継続的な発注。それによってなんとか存続をと願っています。継続発注のためにも、しっかりと当社が生地を売っていなかければいけないことは言うまでもありません。

 新型コロナウイルスの影響もあって生産の一部を国産に戻すという商社の声も出ています。そうなればいいですよね。

 当社では今、新型コロナの特需としてマスク地が売れています。2重ガーゼに始まり、さまざまな生地が売れました。当社から染工場への発注も増えました。派生してマスク以外の手作り需要も増えているようです。この需要が根付くことに期待したい。発注責任を果たすためにも、さらなる拡販に臨みます。