深センアパレル・トップに聞く“新機軸” 第2回/華創服飾 副総裁 李 委ヒン 氏/若年化の成果でⅤ字回復

2020年08月04日(Tue曜日) 午後1時24分

 華創服飾が運営する高級メンズブランド「ダニエル エシュテル」が、新型コロナウイルス禍の打撃からⅤ字回復している。ここ数年取り組むブランドの若年化などが奏功する。李委ヒン副総裁に、新型コロナ後の商況と“新機軸”による成長戦略を聞いた。(上海支局)

  ――新型コロナの感染拡大で一時的に全店舗(約150店)の9割を休業したそうですが、その後は。

 5月からほとんどの店を再開しました。閉店したのは2店だけです。

 5、6月の実店舗の単月売上高は、それぞれ前年同月を2割超えました。しかも香港・マカオや北京などの商業施設の来店客がまだほとんどいない中で、達成しました。

  ――急回復の背景は。

 外部要因と内部要因があります。外部要因は、富裕層が海外に行けず、国内消費を増やしたことです。内部要因は、ここ数年に力を入れてきたブランドの若返りです。

 ダニエル エシュテルは、中国の海外メンズブランドの売り上げランキングで、「エルメネジルド・ゼニア」と「ヒューゴ・ボス」に次ぐ第3位ですが、顧客の年齢層はヒューゴ・ボスよりも8~10歳若く、1985年生まれ以降がメインです。

  ――若返りで取り組んだことは。

 生地とパターンを刷新しました。生地は欧州製を多用してきましたが、ここ数年日本製と中国製を増やしています。

 われわれが生地に求めるのは「テクノロジー」と「エコフレンドリー」。テクノロジー生地は協賛するフォーミュラ・ワン(F1)を絡めた機能素材で、寒冷地でのレースに耐える保温素材をスーツに採用するなどしています。エコフレンドリーは、トレーサビリティーが可能な日本製の綿100%生地などを使っています。

  ――中国経済の低迷が続きそうです。

 経済が悪い時に淘汰されるのは保守的なブランド。変化を続けられるところだけが生き残ります。われわれは二つの新しいことにチャレンジします。一つはライフスタイルの提案で、バッグから靴、帽子、ホームテキスタイルまで総合的に扱っていきます。年内に深センで開業する旗艦店にはレストランも設けます。

 もう一つはネット通販です。小売りは今後、実店舗とネットの融合が進みます。5月に「天猫(Tモール)」と「京東」に出店しました。Tモールは、新規顧客からの製品への評判が良く、手応えを感じています。