深センアパレル・トップに聞く “新機軸” 第3回/“本物のブランド”目指す/「小虫」創業者 楊 玲 氏

2020年08月05日(Wed曜日) 午後1時22分

 ネット通販サイト「淘宝(タオバオ)」専業の高級レディース大手「小虫」は、“本物志向のブランド”へ脱皮を図ろうとしている。実店舗型ブランドの新規参入が相次ぎ、ネット通販の競争が激化していることが背景にある。創業者の楊玲氏に、「ブランド化」に向けた施策を聞いた。(上海支局)

  ――小虫は、高級レディースを手掛ける“淘品牌(タオ・ブランド)”大手4社(小虫、「戎美」「茉莉雅集」「D家」)の中でも歴史が長く、フォロワー数(261万人)が多いです。

 今年で創業15年になります。フォロワー数は累計ですから、重要ではありません。肝心のアクティブ顧客数は数万人です。

 競合3社は元々工場だったか、当初から工場と付き合っています。一方のわれわれは、創業から長く深センの卸売市場で仕入れた製品を売ってきました。そのため、企画力が相対的に弱いです。

  ――新型コロナウイルス感染拡大後、実店舗型の高級レディースもこぞってネット通販を加速しています。

 彼らの企画力とサプライチェーンは、さらに強固です。そのためわれわれは企画力とマーケティング力を磨き、本物のブランドを目指していきます。

  ――具体的にどんなことに取り組みますか。

 2015年に当社に出資(出資比率60%)した(アウトドア3強の一角を占める)駱駝〈中国〉戸外用品との協力関係を強めていきます。同社は、マルチチャネルを使ったマーケティングのノウハウなどを持っています。

 一方、商品での差別化も進めます。生産背景が強い競合と定番品の価格で勝負をしても勝ち目はありません。そのため、高級ラインと定番ライン、海外の著名デザイナーとのコラボレーション商品の3ラインを手掛け、他社が持っていない製品を訴求していきます。

 海外デザイナーとのコラボレーションはこれまで成果がなかなか出ず、赤字になるアイテムもありました。ただ小虫の強みとして、これからも続けます。

  ――日本製の採用など、生地の高度化も進めているそうですね。

 ここ数年、トリアセテート繊維使いなど日本製生地を使うようになりました。春夏は中国製、秋冬は日本製と中国製がメインです。日本製には、特徴がはっきりしたものを求めます。現状はトリアセ使いのほか、ウールのパンツ地などの日本製を採用しています。