メーカー別 繊維ニュース

特集 安心・安全(3)/高視認/労働者の事故リスク低減

2020年08月11日(Tue曜日) 午後4時39分

〈ユニチカトレーディング/持続可能な感染防護衣素材〉

 ユニチカトレーディングは、着用者の安心や安全につながる高機能ユニフォーム素材「プロテクサ」シリーズを販売している。高視認タイプや難燃タイプをそろえるが、注目度が高いのが感染防護衣素材「プロテクサ―PS」だ。再使用可能な素材として提案を強める。

 感染防護衣は、病原体に感染した傷病者の血液や体液の浸透を防御し、感染の広がりを防ぐ衣料の総称。プロテクサ―PSは合成繊維とフィルムを組み合わせた3層構造の生地で、糸(ポリエステル、ナイロン)や生地(トリコット、織物)は顧客の要望に応じて使い分ける。

 血液やウイルスに対するバリアー性を持つほか、特殊な樹脂被膜によって適度な透湿防水性を付与して衣服内の蒸れ軽減を実現した。制電性も備え、精密機器の誤作動を軽減する。これらの機能に加えて、洗濯耐久性を持つのが大きな特徴で、同生地を使った感染防護衣は再使用・再利用ができる。

 プロテクサシリーズでは高視認の「プロテクサ―HV」、安全性と快適性を両立した「プロテクサ―FR」を展開している。安心・安全では制菌加工の「ユニクリーン―S」や高耐久防汚加工「ナノアクア」シリーズの引き合いが増えている。

〈上原商店/持続可能な安全ベスト〉

 再帰反射材を中心とした繊維資材販売の上原商店(大阪市北区)は、原料に再生ポリエステルを採用した高視認安全ベストを開発した。

 再帰反射材と高視認繊維製品の販売を主力とする同社。新型コロナウイルス禍の影響で4~5月こそ商談が停滞したが「6月以降は徐々に回復してきた」と上原和也社長は話す。2015年に高視認服の日本産業規格(JIS)が発行したこともあり高速道路や空港関連で徐々に案件があるという。

 こうした中、高視認服分野でも世界的にサステイナビリティーへの要求が強まっていることから、このほど再生ポリエステルの高視認安全ベストを開発した。反響も大きく、まずは生地売りでスタートし、その後は製品での販売本格化を目指す。「東京オリンピックや大阪・関西万博を契機に普及を進めたい」と話す。

 新型コロナ禍によって物流やデリバリーサービスといった職種の重要性も明瞭になった。こうした職種の人々の安全を高めるために高視認安全服・ベストなどの提案を進める。資材販売のノウハウを生かし、フェースシールドやマスクなど感染防止アイテムの開発と提案にも取り組む。

〈岐セン/高視認「コモシーニ」供給安定〉

 染色加工の岐セン(岐阜県瑞穂市)が手掛ける高視認蛍光生地の染色加工「コモシーニ」の供給は前年並みで安定している。今後も開発依頼案件を形にしながら、さらなる用途拡大を創造し需要拡大を狙う。

 コモシーニはスキーウエア用素材に蛍光染料を染色する技術を生かして開発した蛍光染色加工。高視認性安全服の国際規格である「ISO20471」が定めた厳しい基準をクリアし、高レベルの視認性を保つ。

 加工案件として多いのは昼夜問わず路上作業を行うユニフォーム向け。加工色の主力はイエローとオレンジが多いが、輝度の維持が難しい蛍光レッドの染色技術も既に確立済みだ。さらに新色で蛍光グリーンの染色トライアル要望もあり開発を急ぐ。

 コモシーニの技術をベースとした開発依頼案件も進める。生地構造や生地規格に合わせて最適な染色加工をあらゆる技術を駆使して対応する。高視認の用途の汎用性を探りながら依頼案件を具現化する開発研究を続ける。

 後藤勝則社長は「コモシーニの加工数量は今後も安定が見込めるが、新しい用途を創造し需要の拡大を狙う」と話す。確かな染色加工技術で顧客の期待に応える。

〈欧州のワークウエア/高視認性もファッショナブルに〉

 日本国内では高速道路を利用していると、高視認性安全服を着用している路上作業員を見掛けることがある。しかし、街中でそういったウエアの着用者を見掛けることはまだ少ない。一方、欧州では清掃や建築、道路工事などさまざまな場面で高視認性安全服を見掛ける。それだけに機能だけでなくデザイン性も年々進化しつつある。

 ドイツの有力ワークメーカーBPは、アラミド、モダクリル繊維などを使ったハイスペックな「BPマルチプロテクトプラス」シリーズで高視認性安全服もラインアップしている。セグメント化された反射ストリップを採用し、ストレッチ性を確保するとともに生地の切り替えしや反射材の配置でデザイン性も秀逸。フリースタイプの安全服など日本ではあまり見られないアイテムも多い。

 スウェーデンのハルタフォースグループは、防水透湿性の生地「ゴアテックス」を取り扱う高視認性安全服を展開していた企業を買収。機能だけでなくデザイン面でもこだわった安全服の商品開発に取り組む。

 ノルウェーのヘリーハンセンは女性向けのニーズの拡大に合わせ、20春夏からレディースサイズを充実させ、高視認性安全服でも多数のアイテムを投入。日本ではまだまだダウンスケール(男性サイズを小さくしたもの)したものが多いが、レディースサイズも浸透しつつあるようだ。