メーカー別 繊維ニュース

特集 安心・安全(5)/熱中症対策/素材とデバイスの機能融合

2020年08月11日(Tue曜日) 午後4時40分

〈シキボウ/涼感・高通気素材を多彩に〉

 シキボウは紡績技術や織・編み組織、後加工技術を駆使した多彩な涼感・高通気生地をラインアップする。注目を集めるバーチャルリアリティー展示会でも「クールボディ」「すだれ編み」などを重点提案した。

 クールボディは強撚糸に織組織の工夫を加えることで接触冷感と高通気性を両立した麻タッチのポリエステル・綿混生地。作業服のほかサービスユニフォームや食品白衣などに向けて提案する。ポリウレタン非使用のストレッチタイプも開発した。

 すだれ編みは、編み組織の工夫で実現した高通気編み地。こちらはポリエステル100%と綿100%の2タイプを用意する。ベトナムの協力工場で生産することを生かし、一貫生産する縫製品での提案・供給を進める。

 一方、後加工ではメントール加工による涼感加工生地「アイスキープ」も徐々に採用とリピートが増えてきた。生地に肌が触れるとメントールの効果で涼感が生じる。そのほか独自の校倉(あぜくら)構造織組織による高通気生地「アゼック」も堅調な販売が続く。

 通常の作業服のほか、電動ファン付き(EF)ウエアやEFウエアの中に着るインナーなど幅広い用途に提案を進める。

〈空調服/「空調フェイスシールド」年内テスト販売目指す〉

 電動ファン(EF)付きウエアの空調服(東京都板橋区)は、新型コロナウイルス対策として開発を進めている「空調フェイスシールド」について、早ければ年内に1万台程度でテスト販売を行い、来年から本格展開したい考えを示している。

 作業現場の特性に応じた商品も展開しており、難燃性素材で溶接や火気を扱う現場向けの綿難燃空調服や制電空調服、ファン吸気口から火花が服に入るのを防ぐオプションパーツの金属フィルターなどをそろえる。

 他社との協業によるコラボレーション案件も新規が増えており、アシックスやAOKI、スポーツ用品のアルペン、育児用品販売のダッドウェイ(横浜市港北区)、アウトドア用品製造卸のビッグウイング(大阪市城東区)などと取り組み、来期も拡大を見込む。

 今期の売り上げは、新型コロナの影響を含め前年同期比15%減程度を見込む。販売着数は昨年並みの130万着を計画しているが、前年好調だったデバイス販売が落ち着くとみている。売上構成のネット通販は現状数%だが、今後注力していく分野としている。

 米国事業は、高視認性空調服や空調ヘルメットが好調で、ネット販売や大手企業への納入が進み、「売り上げ規模は小さいものの前年比3倍の伸び」と言う。

〈チクマ/2層内圧式EFウエア〉

 チクマ(大阪市中央区)は、帝人グループ、電動工具のマキタ(愛知県安城市)と共同開発した2層内圧式電動ファン(EF)付きウエアの拡販に臨む。

 帝人グループが持つ高機能素材とマキタが持つファンユニット・バッテリーの製造ノウハウ、チクマの縫製技術を融合させたEFウエア。表地と裏地の間に風を送り込む構造で、ウエアの膨らみが最小限化されることにより運動性が向上するという効果がある。2層構造のためファスナーを開けていても涼しい。

 裏地全体からの通風に加え、血液循環に最も有効な首の付け根や脇下、胸元などに通気孔を配置することで空気の流れをコントロール。優れたクーリング効果を発揮する。このためベストタイプにも対応することができる。袖部分の取り外しが可能な2ウエータイプと全身に風が流れるツナギタイプも用意。高所作業時に義務化されるフルハーネス着用時にも効果を発揮する。

 このほど大阪で開催された「猛暑対策展」に初出展。有名企業での採用事例を紹介したほか、来夏投入予定のコンセプトモデルも展示。「2層内圧式という点に興味を持ってくれる来場者が数多くいた」と拡販への手応えを得た。

〈猛暑対策展・大阪/EFウエアの多様化顕著〉

 大阪でこのほど、「猛暑対策展」が初めて開催された。ここ数年記録的な猛暑が続く中、素材メーカーやアパレルが冷感マスクや電動ファン(EF)付きウエアといった熱中症対策商品を訴求。新型コロナウイルス禍の不安を抱きつつ、来場者と熱心な商談を交わした。

 注目はやはりEFウエアだった。「空調服」のセフト研究所(東京都板橋区)は6月に販売を開始したファン付きウエアラブル冷却装置「ジャストクール」で注目を集めた。腰部分に装着し、上着の中をミストで冷却する。

 エヌ・エス・ピー(岐阜県中津川市)はEFウエアの内側に装着するスペーサーを新開発し、従来品比5倍の風量を実現、「大好評」と言う。

 この2社のほか、共同出展「空調風神服」、ミズノ、神保貿易事務所、室谷などが独自のEFウエアを披露した。

 ユニチカトレーディングは「繊維で猛暑対策」をテーマに掲げ、吸放湿ナイロン「ハイグラ」や吸水拡散ポリエステル「ルミエース」といった機能素材を取り入れた数種のマスクなどをそろえた。

 帝国繊維が訴求したのは日本ユニフォームセンターと取り組む「冷却下着」。ベスト内に配したチューブに冷却水を通して体を冷やす仕組みに注目が集まった。