メーカー別 繊維ニュース

特集 安心・安全(6)/防炎難燃/作業環境の安全性を高める

2020年08月11日(Tue曜日) 午後4時41分

〈クラボウ/多彩な機能加工も付与〉

 クラボウは防炎生地「ブレバノ」に多彩な機能加工を付与することでユーザーからの幅広い要望に応える。そのために実際にブレバノ使い製品を着用しているユーザーを訪問し、ニーズの掘り起こしにも取り組む。

 ブレバノは難燃性のアクリル系繊維を綿に混紡したもの。綿混のため吸湿性や綿の風合いが評価され、堅調な販売が続く。特に電気・ガス・石油などエネルギー関連業種のユニフォームや食品関連商品で引き合いが旺盛。アウトドアやシニア向け製品など一般用途での採用も増えた。

 バリエーションも拡大しており、制電性を付与した「ブレバノプラス」、アラミド繊維・難燃アクリル・綿混紡で米国の防炎性規格NFPA2112に対応した「ブレバノネクスト」、エコマーク対応の「ブレバノエコ」をそろえ、最近ではストレッチタイプも人気が高まる。

 さらにプラスアルファの機能への要望も高まる。これを受けて消臭加工「ストロングデオ」、防汚加工「ソイルスウィープ」、抗菌・抗ウイルス機能繊維加工技術「クレンゼ」などとブレバノを組み合わせた開発を進める。

 実際に着用するユーザーへの訪問も実施し、ニーズの再確認と掘り起こしに取り組む。

〈ニッケ/炉前服など特殊作業服に注力〉

 ニッケは、難燃素材ブランド「F―DEX(エフデックス)」を元に、溶融炉設備を持つ工場などを中心に新たな需要開拓を目指している。

 特殊なウールと難燃レーヨンを合わせた炉前服は、溶融金属に対する有効性をアピールする特殊機能を備えたワークウエア。製鉄、アルミなどの業種で安全管理に力を入れる工場向けに市場を広げていきたい考え。色展開可能なアラミド高混率素材もガス会社などの難燃作業服向けに販売を強化していく。

 この他、高強力の有機系繊維ポリアリレートと、強靭(きょうじん)性・耐熱性に優れる無機系繊維のガラス繊維を組み合わせた高強力織物「P―TEX(ピーテックス)」は、5年前にニッケグループとなったニッケプロテクティブマテリアルズ(旧杉本織物)が展開する耐切創素材。

 防刃ベストやジャンパー、手袋、機密書類バッグなどの用途に加え、防火服素材に匹敵する難燃性があることから、防護エプロンにも採用されている。飛散した金属片から体を守る耐切創性と耐摩耗性、温度280℃でも溶融、滴下、発火しない自己消火性と耐熱性を持つ。重量700グラムと軽量で、水洗い対応が可能である。同社では、これら特殊機能を持つ商品群の強みを生かして、工場向け特殊作業服などの領域に提案を強化していく方針だ。

〈大和紡績/綿100%で生分解性も〉

 大和紡績は綿100%生地に難燃加工「プロバン」を施した「ボディバリア」は販売している。綿100%の難燃加工という特徴を生かし、着心地に加えて生分解性などサステイナビリティーの要求にも応える素材であることを打ち出す。

 ボディバリアに採用されているプロバン加工はノンハロゲンの難燃加工のため燃焼時や焼却処分時の有害物質の発生を抑えることができる。綿100%生地への後加工のため綿の風合いや吸湿性への評価も高い。

 こうした特徴を生かし、作業服や溶接作業時に着用する工業用エプロンなどで安定的に採用されている。最近では電動ファン付き作業服にも採用されるなど新しい分野にも広がってきた。デニム調も開発し、ファッション性が求められる店頭販売の作業服への提案も進める。

 同社では引き続きエネルギー関連業種の作業服や防炎難燃アイテム向けを中心に提案を進める。事業者の多い関東地区のスタッフ増員で営業活動も強化した。さらに防炎製品分野でもサステイナビリティーへの要望が高まるとみており、合繊を使わない綿100%の特徴である生分解性なども打ち出す。

 生地だけでなくタオルや工業用エプロンなど製品での提案にも取り組む。

〈ダイワボウレーヨン/海外市場で採用拡大〉

 ダイワボウレーヨンはシリカ系防炎剤練り込みの防炎レーヨン短繊維「FRコロナ」シリーズ、リン系難燃剤練り込みの難燃レーヨン短繊維「DFG」と多彩な防炎難燃レーヨンをラインアップする。海外市場を中心に寝具から防護服まで採用が広がっている。

 FRコロナは練り込んだシリカ系防炎剤が骨格となり燃焼時に穴が開かないため、炎に対する高いバリア性を持つ。これを生かし海外を中心にベッドマットのウレタンを包む防炎材として豊富な実績を持つ。近年は紡績可能な「FRL」の採用が拡大した。防炎性だけでなく防カビ加工などプラスアルファの機能も付与していることで評価が高まる。

 一方、洗濯耐久性を持たせた「FRX」は難燃防護服や難燃中わた用途などで販売が始まった。こちらもアジアや欧州など海外市場が中心となる。防炎性に加えてレーヨンの生分解性も打ち出す。DFGも難燃防護服用途で海外での販売が拡大しつつある。安全保障分野の官需でも採用されるなど、存在感が徐々に高まってきた。

 同社では引き続き海外市場を中心に寝具から防炎難燃防護服まで幅広い用途それぞれでニーズに合わせてFRL、FRX、DFGを提案する。