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クラレ/22中計で増産へ/改めて新規開拓にまい進

2020年08月26日(Wed曜日) 午後1時6分

 クラレは2022年度からの中期5カ年計画にスーパー繊維「ベクトラン」の増産を検討している。同社はベクトランを年産千㌧体制で展開しており、新型コロナウイルス感染拡大に見舞われるまでは西条工場(愛媛県西条市)の生産設備はフル操業を続けていたという。

 しかし、新型コロナ禍に伴い、特に欧州連合(EU)域のユーザーの生産調整の影響でベクトランも「5月くらいから苦戦に転じた」(髙井庸善繊維資材事業部長)。

 ベクトランはクラレが1990年に操業を開始したポリアリレート系の高強力繊維。引っ張っても切れにくい高強力、水を吸いにくい低吸湿性、耐摩耗性などの特徴を生かし、同社はロープやケーブル、スリングベルト、テンションメンバー、漁網、航空宇宙、スポーツ用品などの用途に打ち出している。

 20年度は好採算なアイテムへの用途転換を通じ収益性の改善・向上を計画するほか、小回りが効く生産体制、多彩な品種を生かし「改めて新規用途の開拓に取り組む」との方針を掲げる。

 開発においては、28DTX・5Fを10Fや20Fにマルチフィラメント化した原糸をラインアップし、織物などの用途で柔らかさを求めるニーズに応えていきたい考えだ。

 今後も5Gの普及・浸透に伴う需要増が見込まれるほか、現状の設備能力ではこれ以上の引き合いに応えていくことができないため、クラレはベクトランの増産を検討している。

 21年度は「まだ状況が不透明」なため、22年度からの中期5カ年計画の早い内に増産計画を経営側に提案し、旺盛な需要に対応すべく生産体制の増強を図る。