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東レ・デュポン/補強、劣化補修用途に深耕/耐衝撃性などの特性生かし

2020年08月26日(Wed曜日) 午後1時18分

 東レ・デュポンは、パラ系アラミド繊維「ケブラー」で非自動車用途の拡大を図る。需要増加が期待できる分野として建造物の補強材や劣化補修用途などに目を向けており、ケブラーが持つ耐衝撃性といった特徴を生かす。糸売りは終わるのではなく、顧客と一体となった開発で差別化する。

 ケブラーの販売は、ゴム資材やブレーキパッドなどの自動車関連向けが6割強を占めているが、多用途での展開強化を方針の一つに掲げている。非自動車分野では耐切創性手袋用途で実績を重ねてきたが、今後はインフラ関連(建造物補強など)やワークウエア用途を深掘りする。

 特にインフラ関連は、高度経済成長期から50年以上が経過し、高速道路や橋などで補強・補修の需要が高まっていることから拡販の余地が大きいとみる。炭素繊維をはじめ、競合する繊維素材も多いが、パラ系アラミド繊維ならではの特徴を伝え、使い分けが可能なことを顧客に訴える。

 糸の販売だけでなく、顧客と連携して工法開発まで手掛ける。「例えば、高速道路の補強・補修などに用いる床版がそれに当たる。使い方を含めた工法開発の強化によって同じパラ系アラミド繊維などと差別化する」と強調。インフラ関連は大きな塊に育成したいと意気込む。

 ワークウエア用途では鉄鋼会社やガラス製造会社などとの取り組みを深めており、作業内容に合わせて仕様を変更したウエアを打ち出す。「耐熱性だけならばメタ系アラミド繊維を使えばいい。ケブラーを使う理由は耐切創性にもある」とし、耐切創性手袋で培った知名度を生かし、浸透を狙う。

 自動車分野は新型コロナウイルス禍で一時的に需要が落ち込んでいるものの、電気自動車(EV)化の進展で新たなニーズが誕生する可能性があると捉える。主力のゴム資材、ブレーキパッドなどに加え、新たな使い方の模索を続ける。