変わるワークウエアの開発思想(10)

2020年08月28日(Fri曜日)

“ポストEFウエア”はあるのか

電動ファン(EF)付きウエアは業界構造を秋冬物から春夏物の開発重視へとある意味変えたが、今後さらに業界を変えるような新アイテムは出現するのだろうか。その可能性を秘めるアイテムの一つがスーツスタイルのワークウエアだ。

 先駆者として存在感を一気に高めたのが、オアシススタイルウェア(東京都港区)。 スーツに見える作業着「ワークウェアスーツ」の販売に2018年3月から乗り出し、導入企業数が累計400社を超えている。今期はレディース分野の強化を掲げ、累計600社の導入を目指す。

 オフィスでもカジュアルでも着こなせるデザインをコンセプトにした女性向け商品の投入を皮切りに、今月初めにはアパレルブランド「ジャーナル スタンダード レリューム」とのコラボレーションで、新たに男女兼用シェアスーツを投入。レディース向け商品を拡充させていくことで、男女の商品数をほぼ同数にまで引き上げ、シェアの拡大を図る。

 出店攻勢にも勢いがある。3年間で30店舗の出店を計画しており、現在は期間限定ショップで女性を含めた新たな顧客層へのアプローチに注力。常設店も年内にオープン予定の店舗を手始めに、アクセス条件の良い立地に今後10店舗ほど展開していく。

 既存のワークウエアメーカーもスーツスタイルの開発に乗り出した。藤和(広島県福山市)が、業界の「固定観念を変える」とテーラードジャケットタイプのワークウエア「ステルスジャケット」を20春夏に開発した。19秋冬から販売の「ソリッド」シリーズと組み合わせた着こなしが可能で、多方面からの引き合いが急増、「職種を問わず好評」と言う。

 ポリエステル100%でありながら360度ストレッチ機能があり、マットな質感を持った小松マテーレの生地を採用。シルエットや付属など細部にこだわった。

 工業用間接資材通信販売大手のモノタロウ(兵庫県尼崎市)も6月からPB商品「モノタロウ」で作業着スーツを販売。ワーキングとカジュアルが融合しつつあるように、今後はビジネスも見据えた開発が増える可能性がある。

 少子高齢化によって労働者人口の減少を見据え、アシストスーツ(AS)の需要も増えてくる可能性がある。旭蝶繊維(広島県府中市)は18年に早稲田大学と共同で、荷物を持ち上げる時に腰と腕の負担を軽減するAS「イージーアップ」を開発した。これまで自社サイトでの直販を中心に展開してきたが、「この1年間、ユーザーからの意見をもとに改良を重ねてきた」ことで卸売りにも乗り出す。

 他にもアトリエケー(兵庫県姫路市)が開発したAS「ワーキングパワースーツ」を桑和(岡山県倉敷市)が販売代理店として供給を本格化。ASとワークウエアは販路で親和性が高いだけに、ポストEFウエアのアイテムとして期待がかかる。