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豊島「オーガビッツ・プロジェクト」/8月29日は「オーガビッツの日」/オーガニックコットン普及に取り組み15年/社会貢献活動への支援も

2020年08月28日(Fri曜日) 午後4時34分

 豊島が展開する、オーガニックコットンの普及を通じて社会に貢献するプロジェクト「オーガビッツ」が2020年の今年、15周年を迎える。趣旨に賛同したブランドによって、これまで多くのオーガビッツ製品が生み出された。各種のNPO・NGOとも連携し、被災地支援や環境保護に取り組んだ。今後は消費者にも共感の輪を広げるため、「地球のためにちょっといいことを考えてみませんか」とさまざまな働き掛けを行っていく。

 8月29日は「オーガビッツの日」。さまざまな活動で協力し合うNPO・NGOに感謝する機会を作ろうと、14年に記念日を設けた。8月の「オーガスト」と、29日の「ニック」をかけて組み合わせ、オーガニックとする語呂合わせで、この日を選んだという。

 毎年、記念日には連携するNPO・NGOの関係者を招き、「感謝の会」を開いている。オーガビッツで結び付いた人たちが顔を合わせ、団体や業種の垣根をこえて交流を育む。今年は新型コロナウイルス感染予防のため、オンラインでの開催となるが、例年と変わらず参加者に感謝を伝え、活動の成果である寄付金を贈呈する。

 オーガビッツ(orgabits)は、「オーガニックコットンを通して、みんなでちょっと(bits)ずつ地球環境に貢献しよう」という思いを形にするため、05年に始まった。〝ちょっとずつ〟の精神は活動の基盤であり、オーガニックの使用も100%にこだわらず、「10%の商品を100倍の人に届ける」方針を貫く。

 20年6月末時点で約130のブランドが参加し、累計で約800万点の商品が生まれた。

 オーガビッツを使用した商品にはオリジナルのタグを取り付け、そのタグ1枚につき1円が一般財団法人ピース・バイ・ピースコットンに寄付され、インドのコットン農家の有機農法への転換や、農家の子供たちの就学・復学・奨学支援などに役立てられる。

 オーガニックコットンの普及以外にも、国内外で展開されている各種の社会貢献活動を支援する。活動に共感したブランドの製品に下げ札タグを付け、収益の一部を各プロジェクトの主宰者に寄付する。

 こうした取り組みは多岐にわたり、東日本大震災で発生した津波の到達地に桜を植樹する「さくら並木プロジェクト」の支援では継続して成果を上げている。多くのアパレルブランドが支援のための商品を生み出し、その収益によって250本を超える桜が植樹された。

 同プロジェクトに関連し、オーガビッツがJリーグ・ベガルタ仙台のオフィシャルグッズに採用された。ベガルタ仙台の主催試合に、植樹が行われた福島県相馬郡新地町のサッカークラブの子供たちとその家族を特別招待するという企画も実施した。

 仙台市を拠点とするロックバンド、モンキーマジックの全国ツアーグッズにも採用された。さらに、宮城県石巻市の高台移転住宅地には、「モンキーマジック」の銘板が付いた桜の苗木が、メンバーの手で植えられた。オーガビッツは、東北の復興と密接に結び付いた。

 今後は、植樹された桜が順調に成長するための手入れ作業も支援する。プロジェクトが掲げる「100年が経っても、津波の避難誘導の目印にする」という目標を達成するまで寄り添っていく。

 支援の対象は、発展途上国で生きる少女の権利を守るプラン・インターナショナルのガールズプロジェクトといった国際的な活動にも広がっている。ウミガメとウミガメを取り巻く環境を保全する「ブルーオーシャンプロジェクト」など環境関連の活動にも積極的に関わる。

 滝川クリステルさんが代表理事を務め、アニマルウェルフェア向上と犬猫殺処分ゼロや生物多様性を目的に活動する団体、病院で過ごす子供達に笑顔を届ける道化師「クリニクラウン」の取り組みについては、社会的認知度を向上させるため、活動内容の発信にも協力する。

 日本で最も多くのアパレルブランドが参加する、オーガニックコットン普及プロジェクトに成長したオーガビッツ。今後は、消費者にオーガニックコットンへの理解をより深めてもらい、生活に定着させるための取り組みに力を入れる。オーガニックコットンの存在は知られても、その性質までは把握されていない実態が、独自調査で浮き彫りになっている。

 魅力的な商品の開発、販売に加え、イベントや企画を通じての情報発信も強化する。オーガビッツをブランドやプロジェクトの枠にとどめず、一つの生活文化にまで育てていく。

〈ビッツ・マガジンで〝ちょっといいことしてるヒト。〟発信〉

 記念日が迫った27日に、オーガビッツのホームページをリニューアル、新しいウェブメディア「BITS MAGAZINE(ビッツ・マガジン)」を立ち上げた。自分の意志で「ちょっといいこと」を実践している人のインタビュー記事を掲載する。一人一人がそれぞれの場所で「ちょっといいこと」に取り組み、社会を動かしていく。そんなメッセージを発信し、新しく何かを始めようとする人々の挑戦を応援するメディアを目指す。2カ月ごとにインタビュー記事を更新する予定。

 インタビュアーを務めるのは、オーガビッツ・アンバサダーの鎌田安里紗さん。ファッションモデルの鎌田さんは、エシカルファッションプランナーや母校の慶応義塾大学の非常勤講師としても活躍している。早くからエシカルファッションや原料となるコットンに関心を抱き、さまざまな探究活動を進める中でオーガビッツと出会った。すぐにその理念に賛同し、協力関係を築いてきた。

 鎌田さんはビッツ・マガジンのスタートに当たり「社会を変えるというと革新的で華やかな印象を抱きがち。でも、実際に社会を変えている人たちは、地道にコツコツとできることを積み重ねているはず。そうした姿にスポットを当てた記事で、読む人の“ちょっと”のアクションを後押ししたい」と意気込みを語る。インタビューでは、サステイナビリティーに関する話題を交えながら、現在の取り組みを始めるきっかけや、事業を展開する上で大切にしていることを聞き出す。