産資・不織布通信(46)

2020年08月31日(Mon曜日)

繊維全体を上回る拡大目指す

東レは6月23日付の組織再編で、不織布、「ウルトラスエード」の両事業を合体させ、新たに不織布・人工皮革事業部門を発足させた。

 4月からの新しい中期経営課題を通じ、連結売上高(IFRS)を2019年度の8360億円から22年度に1兆300億円まで引き上げることを目指している。

 伸び率にして23・2%という高率を掲げており、同部門は「これを上回るペースで不織布、人工皮革両事業を伸ばす拡大戦略を描いている」との意欲を示す。

 19年度までの中計で多額の設備投資を実施し、紙おむつ向けのポリプロピレン(PP)スパンボンドでアジアナンバーワンの地位を固めている。

 紙おむつでは、4月から量産を立ち上げた中国・仏山を既にフル稼働させているほか、今年度中にインドでの量産をスタートさせる。

 中国での出生率の低迷で紙おむつの需要増のペースは若干鈍化しているものの、まだまだ成長が見込める市場。従来品よりもソフト感を大幅に引き上げた原反を打ち出し、プレミアムゾーンでのシェアアップを目指す。

 ポリエステルのスパンボンド「アクスター」でも拡大戦略を続行。集じん機用フィルターを主力に展開しており、「現中計の期間中に増産に取り掛かれるよう準備を進めている」と言う。

 同社は使い切りの防護服「リブモア」を製品で展開しており現在、コロナウイルス感染症対策用の原反開発に取り組んでいる。原反で売るのか、製品販売するのかを検討しており近々、実際の販売に取り掛かる。

 人工皮革では、自動車業界の生産がいまだ低水準にとどまっているものの、中国で自動車生産が回復していることを踏まえ、「中国向けをどこまで伸ばせるかが鍵を握っている」との認識だ。

 最近のビーガン(完全菜食主義者)志向の高まりも踏まえ、再生ポリエステルやバイオポリエステル使いの「ウルトラスエード」の販促を強化し拡販につなげる。

 半銀調「ウルトラスエード・ヌー」の新タイプ開発に着手しており、まもなく販売を立ち上げる。アニリンレザー調の表面感を持たせた。

(毎週月曜日に掲載)