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旭化成/人工皮革で環境対応重視/社会要請に応えて成長を

2020年09月04日(Fri曜日) 午後1時24分

 旭化成は、スエード調人工皮革「ラムース」で環境特性の訴求を強める。主力用途の自動車内装材などで高まっている環境配慮への要求に応え、事業の成長につなげる。早い段階で使用するポリエステルを100%再生糸とするほか、製造工程での取り組みも顧客に伝える。

 ラムースは、再生ポリエステルの活用や水系ポリウレタンを使用するなど、環境特性も特徴の一つになっている。製造工程でも再生可能エネルギーの利用や二酸化炭素(CO2)の削減、使用した水の回収・再利用など、地球環境負荷低減を考えた多様な取り組みを進めている。

 製品そのものの上質感や多彩な意匠性に加え、環境対応への評価も高く、自動車内装材を中心に、ITアクセサリーやソファをはじめとする家具、ファッション分野、産業資材などの幅広い分野で採用される。ただ、2020年度は新型コロナウイルス禍の影響を受けている。

 都市封鎖が実施されたことで欧米の自動車工場が操業を休止し、3月末から5月中旬まで自動車内装材向けラムースの動きもなかった。ITアクセサリー関連向けが順調だったため、「全体の販売は、予想ほどには落ち込まなかった」(ラムース営業部)が、19年度には届かない。

 自動車生産は、7月以降は回復に向かっているとみられるが、19年並みに戻るのは4、5年先という観測もあり、予断を許さない。ただ、自動車メーカーは電気自動車(EV)の開発・販売を加速するなど、これまで以上に環境を重視し始めているといわれており、好機と捉える。

 米国のセージ社やイタリアのミコ社との連携も奏功し、内装材にラムース(「ディナミカ」)を採用したEVの登場が目立ってきた。IT関連向けも元々環境に重きを置いている企業が多く、サーキュラーエコノミー(循環型経済)やサステイナビリティーを求める顧客の需要を取り込む。

 このため環境配慮型製品の開発に力を入れ、使用ポリエステルを100%再生糸(現在も再生糸を活用)とし、ポリウレタンの原料を検討する。