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クローズアップ/東レ・オペロンテックス 社長 田中 良幸 氏/近々エコタイプを戦列に

2020年09月11日(Fri曜日) 午前11時23分

 新型コロナウイルス禍で多くの企業が戦略の見直しを迫られる中、スパンデックス「ライクラ」の東レ・オペロンテックスもアパレル向けの原糸販売が苦戦に転じた。今年4月から立ち上げた新しい中期計画にどう影響してくるのか。6月30日付で就任した田中良幸社長に新型コロナ後の事業戦略を聞いた。

 ――2019年度は中計の最終年度だった。

 1年目、2年目は堅調だったが、新型コロナ禍も重なり3年目から苦戦に転じました。ちょっと前から輸出市場に陰りが見え始めていたこともマイナス方向に影響しました。

 ――新型コロナ禍の影響は。

 当社はアパレル、紙おむつを2本柱にライクラ事業を展開してきました。紙おむつは生活必需品のため、大きな影響を被ってはいません。紙おむつでは今後、大人用を伸ばします。大人用ライクラのバリエーションで紙おむつメーカーへの提案を強化していきます。

  ――アパレル向けの見通しは。

 アパレルの方は苦しい。アウター、スポーツがともによくありません。回復の兆しが見えているところもありますが、全体が回復するにはおそらく2~3年はかかるでしょう。消臭性能を向上させた新タイプの開発を進めており、21春夏からの販売を目指しています。

  ――4月から新しい中計に着手した。

 5%前後の事業拡大を見込んでいましたが、見直すことになります。中計のポイントは数量は追わずに特品、高機能糸の比率をいかに高められるかに尽きます。消臭タイプやソフトストレッチを伸ばし、巻き返しを図ります。加えてリサイクルを重視していきます。

 ――リサイクル糸はまだ販売していないのでは。

 技術も設備もあるのに、これまでは出遅れていました。前の中計ではバイオに軸足を置くと言っていましたが、今後はライクラのリサイクル糸を前面に押し出していきます。しかし、よそと同じような商材では意味がありません。皆さんがあっと驚くような再生糸の開発を進めています。

 ――スパンデックスの市況をどう見る。

 紙おむつ向けの伸びがグローバルな市場拡大をリードしていくのでしょう。日本勢は今後も特品で戦っていくしか手はないと見ています。現在、東レの繊維技術をライクラに導入し開発に反映させる作業を進めており、来年以降、各用途ごとに新タイプを出していければと考えています。