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ひと/東レインターナショナル 社長 沓澤 徹 氏/プラス思考と意思疎通で

2020年09月16日(Wed曜日) 午後1時5分

 時間通りに部屋へ現れたその人に、にこやかだなという印象を持った。6月に東レインターナショナルの社長に就いた沓澤徹氏。経営に対する考え方を尋ねると「奇をてらったものはない。仕事に関しては昔から明るく前向きにプラス思考でやろうと言い続けている」と、終始柔らかな口調で話してくれた。

 1982年に東レ入社。エクセーヌ事業部長やマイクロファイバー事業部門長などを歴任するが、最初の海外赴任地であるドイツ・フランクフルトでの日々が特に思い出深い。日本のテキスタイル輸出がまだ元気だった頃で、欧州のさまざまな国に商談に出向いた。多くの商談がまとまり、実績も上がったと振り返る。

 入社後、初めて東レインターナショナルの仕事をしたのは86年。海外拠点の役員なども務めた。社長として会社を改めて見て、「大きな規模になったな」という感想を持った。「持続的な成長に役立つことができればと考えている。責任感や使命感も持っている」と強調した。

 会社のかじ取りをする上で、プラス思考に加えて、重要視しているのはコミュニケーション。縦・横・斜めの全方向で対話を密にして風通しの良い会社を作る。新型コロナウイルス禍で在宅勤務やテレワークが常態化しているが、リモートによるミーティングの充実で補う。

 社長就任前のトーレ・インダストリーズ〈香港〉時代に、テレビ会議を日本に先駆けて取り入れた。それまでテレビ会議を経験したことはなかったが、十分にコミュニケーションが取れることを知った。ただ、対面での会話も大切にしており、自身はほぼ毎日出社してさまざまな部署に顔を出している。

 座右の銘は「至誠天に通ず」。仕事を続けていると、顧客からクレームが入ることがあり、失敗することもあるが、逃げずに、まじめに誠意を尽くせば道は開けると説く。趣味は旅行。東北の温泉地を巡り、ご当地のおいしい料理を食べたいと言う。新型コロナ禍で自由に訪問できず、やるべき仕事も多い。「しばらくは我慢」と笑った。

(桃)

 くつざわ・とおる 1982年東レ入社、2011年東レマイクロファイバー事業部門長、16年東レインターナショナル取締役、19年6月東レ常任理事、同7月トーレ・インダストリーズ〈香港〉社長などを経て、20年6月に東レインターナショナル社長に就いた。